今回はフィルポータルが、日本からゲストを迎えてワークショップを開催。留学生と共に「語学留学後にどう生きたいか」という大きなテーマに向き合った様子をお届けします。当日の豪雨とは裏腹に、物語café in バギオ終了後の参加者の顔は晴々としたものになりました。
【徹底解説!】バギオの人口・地理・気候・歴史・治安をまとめてみた
フィルポータル初のオフラインイベント!
フィリピン留学に関する情報提供や、現地で活躍する日本人や留学生を取材する中で、感じていることが2つありました。
1つは現地での留学生取材を通して、語学留学後のキャリアが不透明な方が意外と多いこと。もう1つは、学校の魅力を含むバギオという土地の魅力を十分に伝えられているのか、という疑問です。
上記の疑問を解消すると共に、Web上の情報提供に留まらずユーザーとコミュニケーションを取れる体温のあるメディアでありたいという想いから、現地の留学生参加型のワークショップを開催する運びとなりました。
初のイベント企画運営にあたって着想は得たものの、留学と人生というキーワードを軸に何をやろうかと考えたときに、思い浮かんだのが中川瑛さんの存在。
中川さんは文部科学省の展開するトビタテ留学の1期生として留学後、トビタテの広報・相談を通して500人以上の留学生の話を聞き、その経験をもとに日本各地でワークショップを運営していらっしゃいます。
以前フィルポータルは、中川さんとそのワークショップを取材させて戴いたことがありました。
トビタテ留学1期生中川瑛さんの提唱する物語理論とその哲学について
ゲスト
中川 瑛さん(25)
中央大学在学中にオックスフォード大学とストラスブール政治学院へ留学。在学中に株式会社ちえものを設立。2017年4月に著書『最高のキャリアの描き方』出版。
このような経緯から思い切って中川さんをフィリピンはバギオにお呼びしフィルポータル×中川瑛のイベント開催が決定したのでした。
構想段階のターゲットを絞る工程では、語学留学生ということもあり年齢、動機、キャリアなど多種多様の人々がバギオを訪れており、四苦八苦しながらも様々な妄想を試み、仮設定を繰り返しました。
開催場所
開催場所は語学学校WALES。フィルポータルの試みを相談すると、快く貸していただけました。
定員は最大で80名、通常期は30~50名の学生が在籍しています。アラブ圏や台湾からの生徒の姿も目立ち、日本人の比率は基本的に1~2割です。日本人が少ないため、徹底的に英語を学べます。
WALES(バギオ)の学校情報
フィリピン・バギオの語学学校『WALES』の学校情報ページです。WALESのコース/カリキュラム/料金/学校/寮/学校データを確認することができます。
物語カフェとは
ワークシートにて過去を振り返ることで理想像を明確にし、そこから逆算して自分に足りていないものを改めて認識したたあと、最適な次の1歩を考えるという中川さんの考案した「物語理論」に沿って行われる、参加型のワークショップです。
物語cafe in バギオ当日の様子
フィルポータル初のオフラインイベントであり、英語学習という目的が第一にある方たちが対象ということで当日に至るまで、どのような日になるのか全く想像できませんでした。
しかし、蓋を開けてみると当日の会場には春に高校を卒業したばかりの18歳の大学生から、社会人経験の豊富な34歳の方まで、多種多様なバックボーンを持つ方々総勢20名が来場され、期待が膨らみました。
それぞれなんとなくのビジョンを抱えていらした方も多かったです。例えば、「ピザ屋になるためにアメリカの大学で経済学を学びたい」「日本企業の駐在でカンボジアに数年勤務後、生涯キャリアを考え退職した」「世界一周を控えている」etc…と、ひとりひとりじっくりインタビューしたいぐらいです。
イベント当日の流れ
中川さんのトーク
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自己紹介
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全員参加でワークシートに過去・現在・未来について洗い出し自分に関するものや好き嫌い、分岐点を明確にし、物語化
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物語に沿って物語に沿って24時間以内にできる具体的な行動を見つけてもらう
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参加者同士で物語の共有・意見交換
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クロージングとアンケート
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参加者交流会
初対面が多く、最初は緊張が見られましたが終了後のアンケートで「他の留学生の意見が聞けた」や「いろんな考えを聞けた」という声があったように、グループごとに話す中で緊張もほぐれ、積極的に意見を交換する姿が見られました。
参加者は自分のキャリアを考えて留学を選んできているだけあって、未来の理想こそぼやけているものの、自己認知が正確な人が多く、中川さんもワークの早さや、その内容の密度に驚かれていたのが印象的でした。
とはいえ、「英語も難しいけど日本語はもっと難しい」という言葉もワーク中には聞こえていました。言語の種類ではなく語る内容に向き合った時間やそれが自分のものになっているかどうかということが、大切だということに気づかされました。
アンケート結果
ワークショップ終了後のアンケート結果では「次にやること」が見えていた人が46.6%から、96.3%に上がっており「語学留学のその先を考えてもらう」
「他の留学生との意見交換で選択肢を増やしてもらう」「語学勉強だけでなくバギオにきた意味を増やしてもらう」といった当初の目的が達成出来たことが読み取れました。
特に印象に残ったコメントは「ワーキングホリデーに行けば何かが変わると思って、その後のことを問われても答えられないまま反対を押し切って留学に来たが、今日、未来の自分像がクリアになり、なりたい職業を探すのではなく、なりたい自分をきちんと描くことができれば、自ずと仕事や、今やらなければいけないことも分かることに気づけた」というもので、このイベントの意義と喜びを感じられる嬉しい内容でした。
懇親会
イベント後、任意の懇親会にも17名が参加するなどなかなかの盛り上がりで、「毎月開催してほしい」という意見も聞かれました。ワークショップ後ならではの話題もあり、雑談とはいえ振り幅のある会話が飛び交い、とても充実した空間になっていたと感じました。
イベント後記:一過性の試みにしてしまわぬために
「語学留学後が不透明な人が意外と多い」
「バギオという土地の魅力を伝えられているのかという疑問」
上記の問題提起から生まれた今回の企画でしたが、中川さんの多大な協力もあり、解決に向けての一歩をいい形で踏むことができたように思います。しかし、これは一歩であって継続して問い続けていかなければならないことだと思います。
そして、中川さんがイベントを振り返りおっしゃっていた「ターゲティングを間違えればどこかの二番煎じになる可能性」というものを今後はフィルポータルとしても、もっと意識していかなければいけないなと感じました。
また、オフラインでのイベントではオンラインとは違い、わざわざ一手間も二手間もかけて会場に来てくださる参加者がいるという当たり前ですが大切なことを実感しました。今後は参加者の皆様との関係もその場で終わることなく、ご縁を後々に繋いでいける仕組みや、心配りが必要だという気づきがありました。
これからもフィルポータルは、自分たちだからできることを徹底的に見つめ、質の高い情報や体験を共有し、お互いが成長していくことを念頭に挑戦していきます。皆様からの「こんなことはできないか?」という声も、是非お待ちしてります。
「人をドラマするメディア」フィルポータルの理念を再定義しました
おまけ:懇親会後
懇親会後は、中川さんとナイトマーケットに繰り出しました。中川さんは東南アジア初体験でマーケットの喧騒と活気、バロット(孵化直前のアヒルの卵を加熱したも)に興味津々でした笑。