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英語学習

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日本人は英語の「読む、書く」はできる。できないのは「聞く、話す」だけだ、などと言われます。

しかし、それは事実誤認です。そうとう高学歴な日本人でも、ネイティブの小学生が読むレベル小説ですら四苦八苦してしまうのが現実なのです。日本人は圧倒的にリーディング勉強が不足しています。

例えばハリーポッターは世界中で大流行し、累計4億5千万部も売れた小学生向けの児童書ですが、これを原書で読んで楽しめる日本人はほとんどいません。

フィリピンで語学学校 Brightureを経営していて分かったことは、TOEIC 600点台の人でも、ネイティブの小学生低学年が読む偉人の伝記や童話に四苦八苦するという事実です。ネイティブの小学校2年生が1日で読み終わる百ページ足らずの本でも、大卒の日本人でも1週間かかったりします。

リーディングを勉強することで、英語の足腰を鍛える

リーディングを勉強することで、英語の足腰を鍛える
読むこと(リーディング)なんて、英会話の上達には直接関係ないと思うかもしれません。しかし、英語力のいわば足腰を鍛えてくれるのは読書なのです。

これは日本語に置き換えて考えてみても同じことです。読書が好きな子は語彙も表現方法も多く、また問題解決能力も高い、などといった報告もあります。それどころか、読書時間が長い人ほど収入が高いという話さえあります。(PRESIDENT (プレジデント) 2012年 4/30より)ここでは、英語のリーディング力を高めることで得られる具体的な7つのメリットを挙げて見ましょう。

1.語彙が増える

洋書を読むことで端的に得られる効果は、単語や言い回しの増強です。英単語本などから得られる本や言い回しは、どうしても大学受験やTOEICなどに出やすい単語に偏っています。ですから、意外に日常的に使う言い回しや表現方法がいつになっても身につきません。

しかし、いわゆる文学作品や小説などを読むことで、この辺りの表現方法が増強しやすいのです。僕自身、ずいぶん英語の小説を読み、単語や言い回しを増やしました。

2.暗記した単語に馴染みが出る

2.暗記した単語に馴染みが出る
洋書を読むもう一つの大きな効果は、それまで機械的に暗記した単語やイディオムに慣れ親しむことができるということです。単語が脳内に定着するには、違った使われ方で8〜16回ほど遭遇しなければならない、という研究結果がありますが、この遭遇回数を確実に上げてくれるのが読書なのです。読書を通じて単語が自分の血肉になってくると、さらなる単語の暗記にやりがいが見い出しやすくなります。

3.読むのが早くなる

当たり前ですが、毎日のように英語を読んでいれば、リーディング速度が確実に向上します。私自身、初めて英語の小説を読み始めた頃は、200ページ程度の小説を読むのに、毎日5〜6時間も読んで、それでも最低2週間はかかったものです。しかし、10冊を超える頃から少しずつ早くなり、20冊を越える頃には半分の1週間で読めるようになってきました。

そして気がついたら、返り読みもいつの間にかしなくなっていました。その後も早くなり続け、1年を過ぎた頃に、最初の頃に読んだ本を再び読み返してみたら、わずか3日ほどで読み終えてしまったのです。これには本当に驚きました。

4.情報収集能力が高まる

英語がだんだん早く読めるようになってくると、情報収集能力が飛躍的に高まります。インターネット上で日本語が占める割合はわずか5パーセントですが、英語の情報はネット全体の25パーセントをも占めています。リーディング能力が高いと、5倍以上の情報にリーチできるのです。

また同じニュースでも、日本語と英語とでは異なった視点から報道されている事が多いため、情報を多角的に得ることが可能になります。「英語のニュース」と一口に言っても、英国のBBCとアメリカのCNNと中東のアルジャジーラとでは、全く違う視点で報道していますから、英語が読めると言うだけで、得られる情報の質と量が格段にアップするのです。
関連:英語を話せるようになると見える世界。到達までの3つのフェーズとは

5.英語を読むことが楽しみになる

5.英語を読むことが楽しみになる
教材や教科書以外の文章を読み始めると、教材があくまで「英語を教えること」に主眼を置いた、無味乾燥としたものであることに気がつきます。また読んでいくうちに、本によってかなり文体が異なったり、読みやすかったり読みにくかったりと、ばらつきがあることもわかってきます。そして、だんだんと好みの作家なども出てきます。すると、読んでみたい作品や作者が現れてきて、英語の勉強というよりも書籍の内容を読むことが目的となっていくのです。ここまでくればあなたのリーディング能力にある程度の基盤が完成したといえるでしょう。

6.英語圏のモノの見方、考え方を知る

本の中でも特に小説というのは、他人の想像力や体験を文字として具現化したものです。ですから、それを読むことで他人の体験や想像力を追体験することができるのです。ここまでは、日本語の本でも同様です。さらに英語の小説を読むことで、英語圏の人々がどのような視点を持ち、それをどのように表現するのか、生々しく掴むことがことができます。

ですから洋書をしっかり読み込むことにより、英単語や表現方法のみならず、英語圏でのコミュニケーション能力を高めたり、ネイティブの感情の移り変わりを予測して回答が出来るようになったりするといった効果を期待することができます。

7.文化的な違いが理解できる

また洋書を読むことで、文化的な背景や違いなどの理解が深まります。よく英語のコメディなどを聞いていると、笑いのツボがわからなかったりしますが、あれは文化的な背景の違いに起因します。

こうしたギャップを埋めてくれるツールのひとつに読書があります。会話では早すぎて流れていってしまう内容でも、活字を通すことで、吟味し、考えながら文化的な背景を理解することができるようになります。

結び文
いかがでしょうか?
以上、英語で本を読み、リーディング勉強することで得られるメリットを7つあげて見ました。なお英語にかかわらず、読書をすると脳内に新しい神経回路を大脳内に作り、大脳が活性化すると言われています。ましてや外国語での読書を根気よく続ければ、脳力そのものがアップするのではないでしょうか?というわけで、これを加えて「英語を読むことの8つのメリット」をお送りしました。

沖電気工業、アップルジャパンを経て2009年まで米国アップル本社 シニアマネージャーとしてiPodやMacintoshの開発に携わる。その後、教育事業と執筆活動を開始。著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』、『10年後の仕事のカタチ10のヒント シリコンバレーと、アジア新興国から考える、僕達の仕事のゆくえ』などがある。

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