フィリピンには海にまつわる観光地が多いのは周知の事実ですが、実は山岳部も負けず劣らず魅力的なのです。その代表としてコーディリエラ地方にある世界文化遺産の棚田が有名です。一度はテレビなどで目にしたこともある方が多いかと思います。
中でもそうした棚田観光の中心地としてバナウェが知られています。今回はそんなバナウェを特集していきます!
世界遺産の棚田の街バナウェ
なんと言ってもバナウェといえば世界文化遺産であるコーディリエラの棚田群のライステラスが有名です。最近では「天国への階段」とも呼ばれることがありますね。
バナウェはそうした棚田群に向かう人々にとって拠点となっています。なので山岳部にありながら日々国内外から多くの観光客がやってきては賑わっています。
田植え時期が1~2月、収穫が6~9月。ベストシーズンは苗が育ってきた3~4月と言われています。
棚田の歴史
コーディリエラ地方の棚田は山岳民族であるイフガオ族によって約2000年前に開墾されたと言われています。ということはすでに2000年以上続いていることになります。総延長距離は20000kmと途方もない規模です。バナウェに限らずコーディリエラ地方では一般的な光景として棚田が見られます。
昨今取り上げられることの多い「持続可能性」をこの上なく体現している営みです。
この棚田を耕して、米を収穫して、それを食べて生きる日々。
人の暮らしが田んぼとともにあったから私たちはそれを美しいものと思うのかもしれません。ここにはシンプルで、壮大な、ヒトと自然の織り成すドラマがあります。
バナウェの場所・行き方
バナウェはバギオよりもさらに北に位置するイフガオ州に属する自治体名です。
バギオからはバスが頻発しており、片道5~6時間ほど。マニラからも直行バスが出ていて9~10時間という行程です。
これらの都市からバナウェに向かう途中でもすでに美しい棚田の景色がみられます。ハードな山道には違いありませんが、それだけに道中の景色の美しさも見逃せません。
雨季には土砂崩れがあまりに頻発するため所要時間を多く見ておいた方が良いでしょう。
バナウェの街の雰囲気
山間ながら商店をはじめゲストハウスやロッジ、レストランなどに加えて病院、学校などの公共施設も建っています。コンパクトな街ながらトライシクルが多く、観光客を見るや否や声をかけてきます。想像以上に“観光地”といった雰囲気です。
街のレストランやカフェなどには全て同じデザインの看板がわかりやすく取り付けられています。街ぐるみで観光客受け入れ体制を準備していることがわかります。
斜面沿いにある街のカフェからは壁のように急な棚田が一望できます。
ミルクフィッシュや野菜をふんだんに使った郷土料理も食べられます。お米もコーディリエラ地方でよく目にするネイティブライス(赤米)を使っています。
バナウェの街を下から見るといかに斜面に沿って造られた街なのかがわかります。
吊り橋も架かっています。雨の後には轟音をたてて川が流れていきます。
街の周辺には至るところにビューポイントがあります。ジプニーやトライシクルでさらにローカルな棚田を探しに行くのも良いでしょう。
まとめ:都会の喧騒に疲れたあなたにおすすめ
マニラはもちろん、バギオも昨今人口が急増しており都市化が進んでいます。そうした街の熱気がフィリピンの良いところでもあるのですが、やはりずっとそこにいると疲れてしまうこともあります。
そんな時には静かなバナウェの棚田の前に佇んで、物思いにふけったりするのも悪くはないのではないでしょうか?フィリピンのもう一つの顔を見に行こう!