皆さんこんにちは。
フィルポータルでは「自分なりのツールで世界とつながる」をテーマに据え、これまでにも留学生に限らずフィリピンで活動をされている日本人にスポットライトを当ててきました。
今回は語学留学と環境NGOでのインターンに情熱を傾けつつ、現地で自身の特技を活かしてワークショップを開催した女性の活動をご紹介します。
自分なりのツールで世界とつながる
それぞれ胸に秘める想いの違いはあれど、自ら一歩を踏み出して海を渡られた留学生の方々は、すでに計画し行動する力を兼ね備えられていることでしょう。
では、現地にてさらにもう一歩踏み出すことを考えてみたことはありますか?
せっかくの新しい土地、人、時間。(人が変わる三大要素とされる)その時の自分やその場所でしかできない経験、学びをクリエイトするチャンスです。
と、いうことで!
自らの意思でもう一歩を踏みだした事例をご紹介します。環境NGO団体CGNにインターン中の吉村さんによるフィリピン人に向けた書道ワークショップの様子です。
ワークショップとは
ファシリテーターと呼ばれる司会進行役を中心に、参加者が作業や発言を行いながら学びや創造に取り組む体験型講座を指します。
ファシリテーター
吉村瞭さん
立教大学3年生。現在は大学を1年休学し、バギオを中心に活動する環境NGO団体CGNにインターン。語学学校PINESで英語を学びつつ、週末にはインターンとして活動している。
開催場所
環境NGO団体CGNの協力のもと「親子で滞在できる空間」をコンセプトに滞在者はもちろん、語学留学中の生徒や、現地の方々の交流の場として大きな役割を果たしているTALAゲストハウスが今回の会場です。
もっとワクワクしよう!バギオの旅はTALAゲストハウスからはじまる
吉村さんの新たな挑戦、書道教室スタート!
まずは、吉村さんが日本の書道の歴史を大まかに説明。書道は中国から漢字が伝来したのち、仏教の流布と共に広まっていったとされているのだそう。語学学校で学習中の英語を使った説明でしたが、参加者にしっかりと伝わっていました。
次に参加者全員で書道とは何かを話し合いました。参加者からは、「書き順を学ぶこと」や「日本語を書くための方法」など様々な意見が飛び交います。ファシリテーター吉村さんの考える書道は、以下の通り。
- The Art of Writing Japanese Characters Using Brush
- Unity of Spirit
- Develops Our Concentration
翻訳は読者の皆さんにお任せします笑。
第1回の記念すべき文字に選ばれたのは「命」
かき始める前に筆の持ち方や書き順をレクチャーし、吉村さん自ら実践を披露します。参加者の予想以上の真剣な眼差しに、吉村さんも思わず緊張。「I’m nervous」を連呼していました。
いよいよ実践。半紙の調達が困難なこともあり、清書以外はマニラペーパーでの練習になりましたが、紙の意外なクオリティの高さにひとり驚きました。
真剣になりすぎて紙が足りなくなり、下敷きの新聞で練習する人が続出。下敷きなくなるから辞めて下さいと言っても聞いてくれません笑。
2文字目は各自が好きなものをチョイス
2文字目は、吉村さんがあらかじめ用意した「海」「風」「幸」「友」「空」「森」「松」の漢字の中から各自好きなものを選択します。この並びで「松」があるのは、松がバギオにとても多くみられ、象徴的な木として親しまれているからです。
皆さん2枚目にもかかわらず、集中力が落ちない。そして上手い。筆使いや文字から非常に慣れているのが伝わってきて、私の中で参加者のみなさんが書道初体験ということに疑いが出てきました。
私も海を選んで挑戦してみました。紙面のおじさんの嘘くさい笑みとの見事なハーモニー。
約2時間にわたる実践を終え、昼食へ
2文字目の清書が終わり、作品が乾くまで隣接するCafe YAGAMで昼食です。
「書道初めてではない説」は昼食中の聞き込みで解決。今回のワークショップはバギオで絵画等の芸術関係を生業にしている方や学生が多く参加しており、皆さん筆の使い方には慣れているとのこと。また、日本以上に海外の方は書道を神秘的で洗練されたアートとして認知しているようです。
昼食を終えTALAに戻り、輪になってコーヒーを飲みながら文字を選んだ理由を一人ずつ語らい、最後に記念撮影。
まとめ:留学+αでオリジナルの留学と成長を
以上が、ワークショップの全貌です。吉村さんの挑戦、いかがでしたか。初対面の方々が吉村さんの企画した「場」を通じて国籍、職業、立場を越えて親睦を深めていて、素敵な空間でした。吉村さんにとっても1つの成功体験として、また、実践的な英語学習として価値のある挑戦にみえました。
あくまで英語学習が目的にあり、観光や遊びではない留学。英語に対する想いや努力は、掲載させていただいているインタビューや各学校の姿勢を通じて強く感じていて、私のモチベーションや自戒にも繋がっています。
しかし、語学はどの局面においても、意思疎通や読み書きのツールでしかありません。根底にある伝えたいことや経験、価値観を深めるのは語学そのものではありません。
異国での遊びや交流、未知への挑戦は、その根底となるものへの良き肥料になることを、私自身フィリピンで新たな挑戦をする日々の中で感じています。
皆さんも些細なことでも構いません。現地で新しい一歩を踏んでみてはいかがでしょうか。