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「フィリピンでコーヒー!?」

コーヒー原産地といえばエチオピアやタンザニアなど東アフリカ、ブラジルやコロンビアも有名ですね。

でも実はフィリピンでもコーヒー豆が取れるのです。今回はコーヒー栽培をプロジェクトの一環として行っている環境NGO団体CGNとそれに携わるコーヒー栽培技師の山本博文さんによるコーヒーセミナーに同行させていただきました。

【前編】の今回はCGNと山本さんがコーヒー事業に携わる経緯についてご紹介します。

バギオで活動するNGO団体のCGNとは?

バギオで活動するNGO団体のCGNとは?
CGNという名前はCordillera Green Networkの略称で、環境NGO団体です。

ルソン島北部のコーディリエラ地方では今なお先住民族が精霊や山の神を信仰しながら伝統的暮らしを守って暮らしています。しかしそんなコーディリエラ地方にもグローバル化の波が押し寄せ、生活の形も変化してきました。若者は都市へ出稼ぎに、村人はお金を得るために森林を畑に転換しようと伐採したり火入れしたりします。

 

バギオで活動するNGO団体のCGNとは?
CGNはコーディリエラの自然を守り、なおかつ先住民族の暮らしを向上させることを目的に2001年に設立されました。

現在はバギオに20年在住する代表の反町眞理子さんを中心に日本とフィリピンのコアスタッフ、インターンによって運営されています。それぞれ環境教育ファシリテーター、森林官、ライター、アーティストなど様々な領域の人々が日々力を合わせて活動しています。

CGNの活動内容

1. 環境教育

CGNの活動内容
植林やコーヒーのアグロフォレストリー(森林農法)などを行う村では、必ず村人に向けて環境教育の時間を設けます。その活動を行うことで自分たちにどんなメリットがあるのか、どうしてそれをしなければならないのか、ということを指導して回っています。現場の人々が正しい知識を持つことで森林伐採を防ぐことができます。

2. ワークショップ

山岳地方の豊かな自然や伝統文化の価値を伝えるべく、教員や子供たち向けに定期的に行っています。子供たち向けには演劇やアートを通して魅力を教えたり、幼児向けの野外教室を開いたりしています。最近は教員が授業で自ら子供たちにそうした価値を教えることができるようにと教員向け環境教育プログラムにも力が入れられています。

3. 植林

CGNの活動内容
リフォレステーションとも言われます。単純に「お金になるから」という理由で木を伐採し続けると土砂崩れや洪水が発生しやすくなります。結果的にそれによって甚大な被害を被るケースが多く、それでは本末転倒です。
そこで事業地にあった樹種の木を植え、そうした自然災害を防ぎます。同時に木の根は水を貯めてくれる効果があるので貴重な水源を確保することにもつながります。

4. PR活動

CGNの活動内容
先住民族の暮らす地域では今なお伝統的な物々交換がおこなわれています。しかし今日では教育や医療などお金がなくてはどうしても受けられないものがあります。そうしたことが森林伐採や若者の流出につながっていると考えられるでしょう。

そこで解決策として提唱されるのがコーヒー栽培です。元々この地に暮らす先住民族にはコーヒーを自家用で飲む習慣があったため村人にも栽培することができます。そうして植樹、生産したコーヒー豆をブランドにして販売・PRすることでお金を得ることができます。フェアトレードもその一環です。CGNでは販売・PRの部分で貢献して先住民族の生計向上に貢献しています。

他にも先住民族の大学生のための里親奨学金制度や国際交流イベント、技術的な面では持続可能な農業のための堆肥作りなど幅広く活動しています。

活動に興味のある方はCGNホームページを覗いてみてください。
またCGNの手がけたTALAゲストハウスでも情報を得られるので遊びに行ってみましょう!

CGNとともにコーヒー栽培プロジェクトを行う山本博文さん

山本博文さん
コーヒー栽培技師としてフィリピン・ミャンマー・東ティモールを行き来する。コーヒー卸問屋を退社後、ベンゲット州国立大学で栽培地に通いつつコーヒーについて2年間研究。

CGN代表反町さんとの出会い

CGN代表反町さんとの出会い
元々はコーヒー卸問屋で勤務していた山本さん。販売やマーケティング、またロースティングについての知識を得るも生産地に興味が湧き、会社を退社。よりコーヒー栽培地に近い場所でコーヒーについて研究するためにベンゲット州国立大学で2年間学んでいる際に反町さんと出会います。

対して反町さんはコーディリエラ地方では計15万本のコーヒーの木を植樹していることでも知られており、コーディリエラ中の自治体・集落と数多くのつながりを持っていました。しかし栽培されたコーヒー豆をどこに出荷してお金にしようかと販路に困っているところ販売・マーケティングの知識を持った山本さんに出会いました。

生産地に興味のあった山本さんと販路を探していた反町さんの出会いはまさに奇跡のタイミングでした。以後山本さんとCGN共同でコーヒー栽培に携わるプロジェクトを行っており、今回はその一環であるコーヒーセミナーに同行させていただきました。

なぜフィリピンでコーヒーなのか?

なぜフィリピンでコーヒーなのか?
コーヒーセミナー内容に入る前にCGNと山本さんがなぜフィリピン・コーディリエラ地方でコーヒー栽培を推進しているかを説明します。そこには7つの理由がありました。

  1. 元々コーディリエラ地方に住む多くの先住民族にはコーヒーを飲む習慣がありました。自分たちで消費するためにすでにコーヒー栽培を経験していたので簡単に取り掛かることができるということ。
  2. コーヒーは主食ではないため米などと違い、販売しても自分たちが食糧難になるということはないということ。
  3. コーヒー豆は乾燥させて保存できるため、市場価格の低いシーズンには売控え、価格の高い時期を見計らって販売することができます(知識さえあれば)。鮮度が命の野菜と違い、土砂崩れなどの自然災害で道路が通れなくても急がなくてもいいこと。
  4. 今あるコーヒーの木から種を取って、苗木を作ることができます。資本がなくても始められるということです。
  5. 赤道付近でしかコーヒー栽培はできないので日本や欧米のマーケットに輸出することで外貨を獲得することができます。
  6. フィリピンは年間約35万トンのコーヒーを輸入していることから、国内での需要が高いこともわかっています。
  7. フィリピン、日本間は他のコーヒー生産国との距離に比べても短いためフードマイレージ(食料輸送量×輸送距離。つまり輸送のために排出される二酸化炭素量)を考えると環境への負荷が少ないこと。

参考:Kapi Takoコーヒーについて

以上のことを踏まえてフィリピンでのコーヒー栽培には可能性があるのです。

コーヒーセミナーの内容については【後編】でご紹介します。【後編】ではよりコーヒー栽培にまつわる知識・情報をご紹介します!

インタビューと社会派コラムを担当するライターです。いろんな場所に行って、たくさんの人と話して、その声を代弁できる情報屋でありたいと思っています。個人ブログ(さぐりさぐり、めぐりめぐり)で紀行文・コラムも書いてます。 Phil Portal全員のメンバー紹介ページはこちら

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