フィリピン留学相談はスピーディーで選ぶ時代
人生

この記事を書いた人

「人生飛び込んだもん勝ち」バギオで9ヶ月留学とNGOインターンをした私が学んだこと

はじめまして。2016年7月~8月、10月~1月の計6ヶ月弱、バギオの環境NGO団体Cordillera Green Network(CGN)でインターンシップをしていた山本佳波と申します。現在は立教大学観光学部4年生です。

バギオで活動するCGNと栽培技師山本博文氏のコーヒーセミナー【前編】

フィリピンに到着したのは2016年4月。CGNのインターンまでバギオの英語学校、PINESで英語を16週間勉強していました。この記事では、私がインターン生活の中で気づいたこと、学んだことについて体験談という形でお届けしたいと思います。

  • 英語を勉強しにフィリピンに行ってみたい!
  • 英語は勉強したいものの、その後具体的にどう将来に生かしたらいいんだろう?
  • ワーキングホリデーとかよく聞くけど・・・ほかに何か選択肢はないのかな?

そんな方々の役に立てたら幸いです。

もくじ

自分史とCGNとの出会い

自分史とCGNとの出会い
「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」はコーディリエラ地方と呼ばれるフィリピン・ルソン島北部山岳地方の環境保全と先住民族の暮らしの向上を目的として現地に根ざして活動するフィリピンのNGO法人です。

フィリピンのおすすめNPO・NGOインターン10選【留学の出口】

サークルをきっかけにフィリピンへ

なぜ私がフィリピンの現地NGOでインターンを始めようと思ったのか。話は4年前、私が大学1年生のころまでさかのぼります。

大学1年生のころ、ある国際交流サークルにはいりました。そのサークルの活動は少し変わっていて、毎年夏休みに3週間フィリピンの村に行き、各家庭に学生が一人、異文化理解を目的にホームステイをするというものでした。

それまでまったく海外旅行の経験もなかったのですが、お気に入りのテレビ番組『世界の果てまでイッテQ』を見ているうちに、「世界にはこんなに素敵な文化や、面白い人々、美しい景色があるんだ」と自然と海外に対してあこがれを抱くようになり、大学に入ったら絶対に海外旅行に行こう、と決めていました。それも、ただの旅行じゃなくてもっとわくわくするようなことがしたいと思っていました。そんなときにこのサークルと出会って、もうこれしかないという想いで入部しました。

このサークルは、もともと大学のチャペル(教会)が主催していたフィリピンキャンプがサークルに転身したものです。実はCGN代表、反町眞理子さん(以下、眞理子さん)も学生時代このフィリピンキャンプ参加者だったのです。

【バギオで生きる20年】CGN代表反町眞理子さんの人生〜前編〜

自分を変えたフィリピンでのワークキャンプ

自分史とCGNとの出会い
私たちの団体は毎年、フィリピン滞在3週間のうちのどこかでCGN主催のスタディツアーに参加していました。

3年連続で参加しましたが、それは今まで体験してきたどんな旅よりもディープで、価値観が180度ひっくり返されるようなものばかりでした。また、このツアーを中心になって作ってくれていたそのときどきのインターンの方々のきらきらした姿が印象的でした。

大学入学時から海外に興味をもっていた私ですが、特に海外留学に対する興味はありませんでした。
しかし3年間のサークル活動を終えていざ就職活動に臨もうというときに、こんなにも日本の外のことを知らずに、どうやって将来やりたいことを今探すことができるのだろうか、と漠然と不安を感じました。もっといろんなことを知りたいと考えるようになりました。

そこで浮かんできたのがCGNという選択肢でした。もともと自然が大好きだったので、環境についてもちろん少しは興味がありましたが、それ以上に代表の眞理子さんのもとで勉強をさせてもらいたい。ここにくれば何かが変わるかもしれない。そういった半ば駆け込み寺に行くような気持ちでインターンに申し込みました。

CGNでのインターンを充実させるためPINESに留学

自分史とCGNとの出会い
できる限り早くインターンシップを始めたかったのですが、それにはまず語学力が必要だろう、ということで英語学校を探し始めました。「できるだけ短期間で確実な英語力をつけられるように、規則が厳しく、集中できる環境が整っている学校に行きたい」という自分の希望にあっていそうなPINESへの入学を決定しました。

PINESでの日々は充実したものでした。質の高い授業、清潔で整った施設、そしてそこで学んでいる学生たちの意識の高さが私の英語へのモチベーションを大きくあげてくれました。

そこでは16週間、一般会話コースとIELTSのコースをとりました。いわゆるネイティブ並みにペラペラという状態にはまだまだ程遠かったのですが、それでもフィリピンに来た当初からは比べ物にならないくらいの上達を卒業時には感じられました。

そしてその後、7月からCGNでお世話になりました。

PINESチャピス校で「英語のある人生」を!【マネージャーインタビュー】

CGNでの日々

CGNでの日々
CGNのインターンでは、同時に眞理子さんが経営するゲストハウスTALAに住み込みをしてゲストハウス運営のお手伝いをしていました。

基本的にはCGNで活動がある場合は外に出て、そうでないときはTALAのお客さまの対応や、PCでできる仕事をしていました。

指示待ちでは何も始まらない。自分の頭で考えるインターンの日々

CGN、TALAのインターンは少し特殊です。「最初にこれ、次にこれを」、という細かい指示はありません。CGNはスタッフの数も多くはない草の根NGO。インターン一人のトレーニングに多くの時間を使っている余裕はないのです。

代表の眞理子さんが、インターンの興味関心・特性に合ったお仕事を考えて提案してくれます。慣れてきたら、自分でやりたいことを見つけて逆に自分自身で仕事を提案・企画していきます。何をやるにも自分の頭で考える、という習慣を身につけていきます。

とはいえ、最初は何ができるかもわかりません。そんなときにはとにかくいろんなことに挑戦してみました。

 

CGNでの日々
フィリピン人スタッフと植林現場に行きせっせと苗を運んだり。

 

CGNでの日々
ときには山奥の伝統祭礼に取材をかねて参加して川の中で綱引きをしたりしました。

 

CGNでの日々
ガイドブックの改訂をしに一人で旅をして洞窟探検をすることもあったり。

 

CGNでの日々
日本からのお客さんの同行・通訳を務めることもありました。

そうやって動き続けていると、なんとなく自分の中でやってみたいこと、できそうなことが浮かんで来ました。

私は大学で観光を専攻しており、将来もそれに関する仕事につきたいと考えていました。植林やコーヒー収穫など、CGNの事業地に、バギオの留学生の方やマニラ在住の方をお連れするスタディツアーの企画・運営、TALAを会場にした交流パーティも開催しました。

環境保全は素人でも十分に貢献できる。【CGN植林ツアー密着取材】

バギオはもっと面白い。そこにある価値をより多くの人に届けたかった

CGNでの日々
また、こうした活動を企画するにあたって英語学校に通っているときに感じていたことが私の大きな原動力になっていました。
サークル活動でフィリピンに訪れていたころから、このバギオという場所が大好きでそんなバギオの本当に面白い部分に触れずに留学時代の友達が帰国していってしまうことが本当に悲しかったし悔しかったです。

フィリピンでも特にバギオには、いまだ山岳民族の文化や暮らしが色濃く残っています。日本ではなかなか見られない、人々の伝統的な知恵と美しい自然と出会える場所です。

多くの人にとってはただ英語を学ぶだけの国かもしれないけれど、フィリピン、バギオではそれ以上の代えがたい価値を学ぶことができるんだよ、と伝えたい。そんな想いがありました。

企画、集客、実行、会計処理。さぐりさぐり全部やってみた

企画、集客、実行、会計処理。さぐりさぐり全部やってみた
インターン期間の6か月で多くのイベントを行いました。(以下、関わったツアーとイベント) 

2016年6~8月 CGN植林ツアー
9月 TALA手巻きずしパーティ
11月 コーヒー収穫ツアー
11~12月 台風被災地に古着を届けるプロジェクト
2017年1月 タバヨック山エコツアー

最初の植林ツアーを除き、企画を立てる段階から集客、実行、さらには会計処理まですべての工程を自分で行いました。企画で何度も眞理子さんに直しをもらったり、イベント告知のためにバギオにあるいくつかの英語学校に足を運んだりもしました。フィリピン人スタッフに何度も相談したり、試行錯誤してなんとかイベントを実施、ということを繰り返しているとあっという間に6ヶ月が過ぎていきました。

あなたはどこで留学する?バギオの英語学校まとめ【BESA日本セミナー】

 

企画、集客、実行、会計処理。さぐりさぐり全部やってみた
こういった業務を行っていく上で、もちろん多くの壁にぶつかります。
基本的に一つの仕事を最初から最後まで通してするため、ありとあらゆる方向からいろんなことを考えなければなりません。考えれば考えるほどやるべきこと、やりたいことがどんどん増えてきて予想以上に大変でした。

イベントのお客さんが集まらなくてひやひやしたり、言葉をフィリピン人スタッフに上手く伝えられなくてもやもやすることもありました。言語に関しては、何度も悔しい思いをしました。いくら英語学校で4ヶ月間英語を勉強したところで、全然足りないと思い知らされた場面は数え切れません。

日本語の文書を英訳するお仕事をもらったときに、最初に自分が翻訳してそのあとに細かい文法の間違いを見てもらおうとフィリピン人スタッフに見せたら何が言いたいのか全く分からないから修正ができないといわれたときはかなりがっくりきました。自信がなくてフィリピンにいながらにして英語をしゃべりたくなくなってしまったときもありました。

しかし、TALAで自分が一人のときに外国人のお客さんがきたら自分が対応をしなければなりません。電話がかかってきたらでなければなりません。どんなにできなくてもやらなきゃいけなかったので自分をさらすという意味でCGNとTALAの環境は私にとってとても新鮮で充実したものでした。

最終的にフィリピン人のお客さんと打ち解けて夜に人生についてお話をして涙を流すこともありましたが最初のころの私からは信じられない進歩です。

CGNインターンで得た今後も大事にしたい考えや指針

CGNインターンで得た今後も大事にしたい考えや指針
インターンを通して学んだことは数えきれないほどあります。なかでも眞理子さんからはたくさんのことを教えてもらいました。

その中の一つで印象的だったのは、「想像して創造する」という言葉です。これを言われたのは、あるイベントのポスターを作っているときで、どんな人が見るのか想像して、その人たちによく響くものを創造するんだということを言われました。

これはどんなことにも当てはまると思います。「これをこうしたら何が起こるんだろう、だれにどんな影響が起きるんだろう」「そうしたらこうなりたいから、こういうものを作ってみよう」やっぱりここでも自分の頭で考えるということが大事で、なおかつ考えて終わりではなくて自分の中からなにかを形にしてアウトプットしなければいけません。

身近なところだとコミュニケーションにおいてもそうだと思いました。思いやりの気持ちをもって相手の気持ちを想像して、そのうえで自分の言葉や行動を創造する。これからもこの気持ちを忘れずに行動していきたいと思いました。

 

CGNインターンで得た今後も大事にしたい考えや指針
また、TALAにいるとお客さんからもたくさんのことを学びました。日々様々なゲストの方々とお会いして思ったのは、「どうやって生きてもいいんだ、何かを始めるのに遅いってことはないんだ」ということです。

TALAにいらっしゃるお客様は不思議なことにみなさんとてもエネルギッシュで自分のやりたいことをしっかりと持って、それを楽しみながらやっている人が多かったです。中には70歳をすぎてもまだ新しいことに挑戦しようとしている方もいました。これは英語学校に通っていた時も同じです。いろんな年代の方とお会いし、みなさん様々な想いで英語を勉強していました。

日本では、レールが敷かれたように、「何歳になったらこれを」とか決まっていることが多く、特に私のように大学生の年齢だとこの年齢になったら就職をして、このくらいの年齢までに結婚をして、など誰に言われたわけでもないけれど自然とそうしなければいけないという意識が働いている人は多いのではないかと思います。私もそうでした。

しかし、本当はそんなことなくて、何かをやりたいと思ったらその時に挑戦すればいいんだということを学びました。そう思ったら一気に肩の力が抜けた気がしました。

フィリピンとは、バギオとはそんな自然体で生きていられる、肩に力をいれなくていい場所です。おなかすいたらごはんにしよう。どんなに仕事が残っていても疲れたら明日にしよう。家族との時間を大切にしよう。もちろん、仕事の達成度や効率の面から考えたらそれが必ずしもいいことなのかはわかりませんが、人間らしく生きるってこういうことなのかなと思いました

これから先なにかに思い悩んだりしたら、私の場合はフィリピンにきたら一発でその悩みが吹っ飛ぶような気がします笑。

疲労回復に「フィリピン」が効く。

旅を通じて人の人生を豊かに。まずは自分のまわりを良くしていこう

旅を通じて人の人生を豊かに。まずは自分のまわりを良くしていこう
私は今まさに就職活動の真っ最中です。

しかしまだ具体的に何をやるかまでは決まっていないし、正直何が自分にできるか、特別な技術も特別な知識もない自分がどうやって社会に貢献できるかなんてわかりません。

ただ、インターンでツアーを作ったときのわくわく、お客さんからの感想で「こんなの初めて」「すごく勉強になった」「これからの生き方について考えさせられた」とフィードバックをいただけたときの嬉しさが忘れられず、大好きな旅を通じてその人の人生がちょっとでも豊かに変わるきっかけの場をつくりたい、そんなところに立ち会いたいと思っています。

まずは自分の身の回りを少しでもよくしていけるように、じたばたしていけばきっとやりたいことに出会えるのではないでしょうか。そう信じてとにかく一生懸命やってみようと思います。

最後に:海外留学や海外インターンを考えている人へ

最後に:海外留学や海外インターンを考えている人へ
人生とにかく飛び込んでみたもん勝ちだな、ということです。

「留学をした」から、「インターンをした」から、必ずしも特別な体験ができるかと言われれば、保証はできません。でも自分を今までよりもちょっと背伸びをした環境におくことによって、今までは見えなかったものや気づかなかったことに出会うことができると思います。

留学をするっていうのも海外で働いてみるっていうのも一見大きな一歩に見えるかもしれませんが、実はそのこと自体はそこまで大きなことではないように感じます。
「来年、海外に行ってみよう」というのと「今週末、町へ出かけよう」はもちろん程度は違うけれど、同じ一つの選択にすぎません。

 

最後に:海外留学や海外インターンを考えている人へ
ただ、自分がやりたいと感じたことを一歩踏み出してやってみたら、その先でもっとやりたいことと出会って、という風に自然と自分が目指す方向に向かっていくのではないでしょうか。なのでまずは気軽な気持ちで挑戦してみてほしいです。

こうして1年間近くフィリピンで過ごすと決めたことは、ここまでの人生で一番良い決断だったんじゃないかな、と今は思っています。飛び込んでみて本当に良かったな、と。

CGNより
CGNではインターンスタッフを随時募集しています。興味のある方はお問い合わせからどうぞ!

立教大学観光学部4年。埼玉県出身。4年次を1年休学しフィリピンへ。語学学校での4か月の英語学習の後、バギオの環境NGOCordillera Green Network、日本人経営のゲストハウスTALAにてインターンシップを行った。将来は“人にも環境にも優しい、感じて、学ぶ旅”をたくさんの人に提供するのが目標。ローカルなものだいすき。モットーは“全力で楽しく生きる”。バギオを、フィリピンをこよなく愛する22歳。

SOUDAバナー

編集部からのおすすめ記事一覧