セブ島は今日ものどかで陽気ですが、昨今多くの日本人が旅行・留学・ビジネスにやってきます。そんなセブ島で暮らして8年になる佐藤さん。現在はマンゾクレンタカーの代表を務めていますが、その活動領域はレンタカー事業にとどまりません。
今回はそんな佐藤さんの事業の一つである日本語教室に帯同取材をさせていただきました。
日本語教師
佐藤健一さん(36)
2008年にセブ島へ移住。現在はマンゾクレンタカー代表を務めつつ日本語教師、通訳業もこなしている。一時期はフィリピン人と同じ給料で働き、その過程でビサヤ語をマスター。
フィリピン水準の資金で働く日本人が、セブで起業するまでの物語
セブ島歴
- 2008年1月フィリピンのセブ島に移住
- マクタン空港にある喫茶店northwing cafeにて働く
- 現地の給料では学校には通う余裕が無く独学でビサヤ語を覚える
- 現地の方々と同じ生活をして経験を得る
- 現地のタクシードライバーとして働きセブの事を更に学ぶ
- 日本語の先生として働き研修生を日本へ送り出すサポートを始める
- 退職後、コールセンターや現地の日経企業で通訳として働く
- 退職後マンゾクレンタカーを始める
日本語教室
依頼企業
今回佐藤さんとともに訪問したのは、セブシティから北に約30キロのダナオ市にある日系企業CEBU YUSHIN INC.。FA・省力化機器装置の設計・製作、半導体関連、自動車関連、OA設備関連など幅広く製造している企業のフィリピン支社です。
その中で日本語教室を受講しているのはマネージャークラスの社員5名です。男性1名、女性4名という構成に、フィリピンの女性に対する社会的評価の高さが伺えます。
授業内容
佐藤さんの日本語クラスは1回2時間。これを週3日、合計300時間行うという本格的なカリキュラムになっています。間を空けてしまうと定着が悪くなってしまうとのことから足繁く現場に通っています。この日はその2回目となる授業のため挨拶や自己紹介をはじめとした初歩的な内容でした。
その授業進行は少々独特で、単語や文法を順に提示して教えていくのではありません。過去形・現在形や筆記体・口語体などが混ざり合い、ピンポイントにセンテンスを作っては、それを説明していくという形。日本の教育形式に慣れている身からすると自由な授業展開は少々懐疑的に思えることもありました。
しかし、後で尋ねると佐藤さん曰く「とにかく授業では生徒の話す機会を確保したい」とのことでした。事前に基礎的な知識の載ったテキストは渡して、予習は生徒に委ねます。そうして勉強してきた内容を授業時間に展開してもらうのが意図なのだとか。
また、佐藤さんはビサヤ語も交えた自然な会話の中で簡単な日本語を紹介、シュミレーションしていきます。生徒が少し戸惑っていると即座にビサヤ語での解説を加えるので生徒も安心している様子でした。
佐藤さんの想い
佐藤さんは「フィリピン人は言語の飲み込みが早い。なのでむやみに厳しく教えるのではなく、身体と頭を使って楽しく覚えてもらう」という言葉を口にされていました。このあたりはフィリピン生活の中で培った感覚なのでしょう。
確かに日本にもフィリピン人はたくさん暮らしていますが、とても日本語の上手な方が多いかと思います。実際にマンゾクレンタカーのフィリピン人社員も、はじめは話せませんでしたが、今では日本人のお客様をアテンドできるほどだと言います。
セブシティへの帰路、車を走らせる佐藤さんが前を向いて放ったこの一言に佐藤さんの仕事に対する姿勢・責任、そのすべてが集約されていると思いました。
レンタカー・ツアー事業に忙しくなってきた今、初心だけは忘れないように心がけているとおっしゃっていました。相手がフィリピン人でも日本人でも、常に目の前の相手に全力を尽くす姿勢が「満足」の秘訣なのではないでしょうか?
料金システムとお問い合わせ
頻度 | 週3回 1日2時間 |
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合計 | 300時間 |
料金 | 1回一人あたり250ペソ(約535円) |
お仕事の依頼は以下お問い合わせフォーム、または佐藤さんのFacebookアカウントにご連絡ください。