海外での活動を視野に入れて留学する方が多い中で、日本に住む外国人のために英語を学んでいる人もいます。今回お話しを伺う草山佳都栄(くさやまかつえ)さんは現役の歯医者さん。もともと感じていた英語コンプレックスを克服し、日本にいる外国人の患者さんへ対応するために英語を勉強したいと思ったそうです。
草山 佳都栄さん(30代)
昔からの英語コンプレックス克服と、歯科医師の仕事で外国人患者との会話をスムーズにするために留学。
満足度 | |
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留学期間 | 12週間 |
英語力 | 初心者(英語にコンプレックスあり) |
英語の必要性を感じ、克服もしたかった
もともと英語を喋れないことにコンプレックスがあって、1年くらい前から留学を視野に入れていました。私は歯科医師をしていまして、外国人の患者さまが結構いらっしゃいます。仕事で英語の必要性も感じることもあり、それ以上に話せるようになりたい気持ちが強くて主人にも相談しながら留学を決意しました。
— そのコンプレックスはいつごろからあったのですか? 歯科医師のお仕事をされているのですね。
小さいころからです。学校の英語の授業はつまらなくて全然勉強する気が起きず、最低限だけでもいいだろうと思っていました。自ら単語帳を作ったこともないし、授業中も寝ている状態でした。
主人も歯科医師です。たまに英語しか喋れない患者さまが来ることもあります。そういう時には歯医者用の英語の本を読んで対応していたのですが、その本を横に置きながら治療するのがうっとうしいと感じていました。
日本で働いている外国人で、当人は日本語を話せてもその家族は全く話せないこともよくあります。
「外国人患者は任せてください」と職場の了承を得る
— ここに来るにあたって、お仕事はどのように調整されたのですか?
1年前に前の職場を退職し、次の職場に留学することを伝えた上で転職しました。留学後は自分が外国人患者の対応をしますと話し、了承を得られた歯科医院に転職できました。
— CIPで選んだコースと詳しい授業内容を教えてください。
インテンシブCコースを選びました。ネイティブによるマンツーマンクラスが1コマと、フィリピン人のマンツーマンが3コマ、グループで4コマです。
ネイティブとのマンツーマンでは、発音の矯正をしてもらっています。はじめは違う先生にスピーキングの練習をしてもらっていたのですが、発音の仕方を知らないせいでリスニングができなくて。
新しい先生に変更してもらい、発音矯正を先に始めることにしました。
グループレッスンでは、いろんなトピックをみんなで話し合う授業をしています。以前は「テッドトーク」に参加していたのですが、これは私が来たばかりの頃は難しくて日常会話を学べるコースに変更してもらいました。
例えば、スラングばかり習うこともありますし、人間の権利についてどう考えるかとか、どんな権利があるか考えてみようという授業もあります。
1日6コマの授業と自主学習でコンプレックスを克服
— 現在、留学されてからどれくらいの期間経過しましたか?英語コンプレックスで気持ちの変化はありましたか?
日本人がみんな持っているような、外国人への恐怖感はなくなったと思います。コンプレックスもだいぶ克服できたと思いますが、先生同士の会話は全然聞き取れなくて落ち込むときがあります。めちゃくちゃ早くて「本当に英語を喋っているのか」と疑ってしまいますね。
— 留学中の1日の過ごし方について教えてください。
朝は6時半に起床します。ルームメイトの女の子が6時半に起きていて、自分も一緒に起きるようになりました。
部屋からプールが見えるので、窓からぼーっとプールを見たり体を動かしたりして7時半に朝ごはんを食べます。その後、9時40分からの授業開始までに余裕があるのでそれまで自主学習しています。
午前中の授業が終わったらお昼ご飯を食べて、少し時間が空くので部屋に戻って昼寝をします。午後にも授業を受けて7時からは、音読をしてもいい教室で声をだして勉強します。
創意工夫しながら学び、2年後には家業を継ぐ
ノートに単語と日本語を書く方法で勉強していたら、先生から「そんなんじゃ一生覚えられないぞ」と指摘されてしまって、マインドマップという方法で覚えるようにしています。例えばlookという単語なら、look up、look down、look for、look inというように、同じ意味の単語を広げるようにして覚える方法を教わりました。
あとは「リアル英会話」という有料のアプリを使っています。日常で使えそうなフレーズがたくさん掲載されていて、これをスキマ時間に見て、「あっ、今日はこの表現を使ってみよう」と思いついて実際に使うこともありますし、何を話そうか忘れてしまったら、ノートに書き留めておきます。
— CIPを卒業後の予定は決まっていますか?
歯科医院に戻り、2年後には家業を継ぐことになっています。私の実家の周りは外国人のコミュニティが多いのです。
そのうちの誰か1人が来てくれたら「ここの歯医者さん英語喋れるよ」ってコミュニティ内で口コミが広がって、他の外国人を連れてきてくれるのではないかと見込んでいます。
そういう外国人向けの歯医者があってもいいのではないかと思うんです。私の主人が英語を話せないので、私が治療しようと思います。
インタビュー後記
小さい頃から英語のコンプレックスがあったにも関わらず、日本に住む外国人の方の為に英語を学ぶ姿勢は素晴らしいと感じました。
草山さんは大阪が地元のとてもお話上手な方で、インタビュー中は何度か笑わされてしまいました。今後は英語という武器が加わり、外国人患者さんのハートもがっちり掴むのだと思いました。