3回のフィリピン留学の後ニュジーランド留学を経験。もういちどニュジーランドに行くつもりだったという予定をフィリピン留学に変更したミツさん。理由をお伺いすると、なんと「英語で会話をする機会が減ってしまった」とのこと。
なぜ英会話をする機会が減ってしまったのか、また今回のフィリピン留学を決意した理由や学校での過ごし方をお伺いしました。
ミツさんの留学経験
— お名前と年齢、今回の留学期間をお伺いしてよろしいでしょうか。
名前はミツ、と申します。年齢は63です。留学期間は4週間。ブライチャーへ来る前にはサウスピークへ4週間、留学していました。
留学経験としては、ここフィリピンが4回目です。1回目がマニラで5年前、2週間。2回目がセブのマクタン島にあるフィリンターと言う学校4年前、1週間。3年前に同じフィリンターに3週間。
その後、今年の5月から16週間、ニュージーランドのオークランドにある語学学校に留学しました。その後こちらに来て、フィリピンへ4回目、サウスピークに4週間、ここに4週間ですね。
国・地域 | 学校名 | 時期 | 期間 | |
---|---|---|---|---|
1校目 | フィリピン(マニラ) | 2010年 | 2週間 | |
2校目 | フィリピン(セブ島) | フィリンター | 2011年 | 1週間 |
3校目 | フィリピン(セブ島) | フィリンター | 2012年 | 3週間 |
4校目 | ニュージーランド | 2015年 | 16週間 | |
5校目 | フィリピン(セブ島) | サウスピーク | 2015年 | 4週間 |
6校目 | フィリピン(セブ島) | Brighture | 2015年 | 4週間 |
— 語学留学のベテランと言う感じですね。
それでもほとんどは短期ですからね。ただニュージーランドに16週間、今回(フィリピン)は8週間なので、そういう意味では長いですよね。
フィリピン留学をしようと思ったキッカケとは?
— もともとフィリピン留学をしようと思った動機は何でしょう?
ニュージーランドへの留学ですね。3回のフィリピン留学を経て、自分では中級のレベルになったと思いました。今年(2015年)に退職して時間ができて「いよいよニュージーランドに」ということで16週間行きました。
— なるほど。フィリピン留学を3回経験された後にニュージーランド。
フィリピンに来て分かったのは、5年前は韓国人の数が圧倒的だったこと。彼らが3、4ヶ月こちらで勉強して、一定レベルになると、更にハイレベルの教育を受ける為に、今度はカナダとかアメリカとかイギリスとかオーストラリアとかに行くわけです。それはかしこい方法だなと思いました。
いきなりアメリカに初級者が行っても伸びないと思っていましたから。先進国の英語の授業って言うのはマンツーマンじゃなくグループ学習で行う。そうすると、輪の中に入って喋れなきゃいけない。
— 欧米留学をされた方から、その話をよくお伺いします。
それはある程度のレベルに行かないとできない。だから行くならば「中級かその上くらいにならないと」という意識があって「中級ベレルになったから行こう」というのがニュージーランド留学までの経緯です。
それが元々のモチベーションで、その時点では、フィリピンにもう一回留学しに来ようとは思っていませんでした。フィリピンは中級クラスまでの留学先としては良いんですけど、それ以上になると向いていない、そういう判断をしていました。
4回目のフィリピン留学を決意した理由とは?
— とても計画的に行動されていますね。4回目、フィリピンに来られた理由をお伺いしたいです。
それはニュージーランドでグループ学習を経験して、色々な気付きがあったためです。一つは喋る機会が少なくなった。
— 英語圏の国へ行き、英語を話す機会が少なくなった?
1クラス10から15人のグループ学習の中で、ずっと喋るって機会は無いわけですよね。単純計算すると、先生が半分、生徒が半分話すとして、1時間の授業の中で、生徒が喋るのは30分。15人入れれば、その15分の1で2分しか喋れないわけですよ。となると、1日に喋れるのはせいぜい1時間も無い。
ホストマザー、ホストファミリーと話すにしても、四六時中ずっと話してるわけではないので喋る期間がガクッと減る、というわけです。それなら「喋る量」としては日本でオンラインレッスン受けてた方がはるかにマシになってくる。
— なるほど。たしかに減りますね。
ニュージーランドの留学直後にIELTSの試験を受けたところ、それまではスピーキングテストで6.5を取っていたのが5.5に下がっちゃったんです。これはショックでした。
IELTSと試験の6.5点と5.5点はどのくらいのレベルなのか?
IELTSは英語力を証明する試験のひとつで、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなど、幅広く採用されています。テスト結果は1.0から9.0のバンドスコアで示され、海外の一般的な大学は6.0から6.5を入学基準としています。
— ニュージーランドへ留学してスピーキングスコアが下がるなんて、通常は思いませんね。
4ヶ月半の間にスピーキングのチャンスがむちゃくちゃ減ったというのは自分でも自覚していて。そこで「もう一回喋らなきゃいけない」と思うようになりました。
実はニュージーランドには、二度行こうと計画していました。先回留学したのは冬の時期だったので、今の時期(ニュージーランドは夏)にもう一回、3ヶ月くらい行く計画でした。
だけど、喋る機会が増えるわけではない。じゃあ、マンツーマンのあるフィリピンにもう一回戻ろうかと考えて、今回の留学を決めました。
— なるほど。英語を喋る機会を増やそうとしたのですね。
その時に、リスニング力が意外と弱いってことに気が付いていたので、発音を1からやることに決めました。「英語耳」という書籍を出されている松澤さんのホームページ(実は発売前にインターネットで公開されていた)を見て自己学習していました。
発音はサウスピークが結構得意だと聞いたので、まずはインプットということで4週間、発音のインプットをしました。それからアウトプットはブライチャーがいいと、ネットで調べたり、知っている方に聞いたりして選びました。
— サウスピークでインプット学習をされたあとに、ブライチャーにこられたのですね。
そういうことです。
— 目的を完全に分けられたのですね。
もちろんです。
英語学習をはじめたキッカケとは?
— とても参考になる留学先選びですね。もともと、英語を勉強され始めたきっかけは何でしょうか?
それは仕事ですね。数年に一回、学会に参加する機会がありまして。英語での発表などもあり、その準備はきちっとできても質問の時間になると相手の言っていることが良く分からない。それからバンケット。パーティーなんかで、
— バン…?
バンケット。終わってからみなさんで集まって会食を楽しむんですけど、そう言う所でカジュアルなカンバセーションができない。日本人の一般的なパターンですよね。それが悔しくて。
それから、日頃は文献を読むというレベルでしか英語と接していませんでした。フェイスtoフェイスでコミュニケーションをやるっていう意味では英語は最高だと思っていますので「英語は喋れるようになりたい」と、そういう単純なものですね。
— 学会に参加というと、どういったお仕事をされているのでしょうか?
僕は研究開発員で、製造業の研究所にて研究開発をすることがメインです。
— 研究開発のお仕事で、学会に足を運ぶきっかけもあるのですね。英語で書かれた学術論文を読まれることも多そうですね。
はい。読んで、書かなきゃいけない時もあります。読む方は、専門分野ならできますが、小説とかになるとできません。形容詞とか副詞が小説は独特で。学術分野にはそういう形容詞とか副詞はほとんど出てこないんです。
学術用語は専門用語と動詞がメインですから、専門用語は一言で表す意味が一つしかないわけです。ところがphrasal verbs(句動詞)は色んな意味がある。
だから実は、一見難しく感じる言葉の方が、専門家にとっては日本語と英語の対応が付きやすい。バックグラウンドの知識を持っていれば、その英語さえ分かれば背景の論述が全部分かるから楽なんです。
— 対が1つしかないから読みやすい、ということですね。
そういうことですね。
留学中の授業・学習・生活について
— フィリピン留学中の過ごし方はどういった風に?
平日は、1日あたり10時間くらい勉強しています。18、19時くらいまでここで勉強、近所で夕飯を食べ、ホテルに戻ってまた宿題をして、というかなりストイックな生活をしています。金曜日の夜は皆でご飯を食べに行きますが、土日は籠って勉強、といった具合です。
— 勉強の内容はどういったものでしょうか?
主に作文です。自分が表現したい日本語を思い浮かべて、それにふさわしい英語表現を調べて文章にする。それを先生に添削してもらい、これは不自然だとか、これは使っていいんだとか、そういった指摘をもらっていました。
授業では前半40分は題材に関してのフリーディスカッション、残り10分は添削、といった風にしてもらいました。
— 宿題の題材を元にディスカッションをするのですね。
はい。ここでは十分に楽しんでディスカッションができました。添削もかなりしっかりと。
フィリピン留学の満足度と今後の展望
— ちなみに、今回の満足度はどれくらいでしょうか?
かなり高いですね。特に松井さんという存在はとても刺激的でした。今回は話すことと書くことに重点を置きました。ここまできちんと添削してくれることは珍しいと思います。
ほぼ目的通り勉強できた、という感じです。
— ここを卒業された後は、何をされる予定でしょうか。
日本に戻ります。来年から仕事を再開して、実戦の場で、働きながら英語を鍛えていこうと思っています。
— お仕事はまた同じ研究職?
いえ、来年からはコンサルタント関連の仕事をします。ですから、幅広い知識が今まで以上に要求されますね。
— お話をお伺いしていると、すごいバックグラウンドですよね。
冷静に考えれば強みはたくさん持っていますよね。基本的には無機材料系の知識と、MBA的な知識と、それから統計とかビックデータの解析もやっています。そういった知識はあるし、英語はそこそこ喋れるし、それら武器にしてコンサルタントをやれるかなと。
— 楽しみですね、今後も。
はい、とても楽しみです。
インタビュー後期
お話を伺っていて、ミツさんの経験・知識の豊富さに圧倒されてしまいました。英語を長期にわたって学び自分の弱点を把握し、適切な勉強法を選択されている。そんなミツさんが満足された授業を、 ぼくも受けてみたくなってしまいました。