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フィリピン・セブ島にある、本格的なジャズ音楽を聞きながらディナーを楽しめるジャズバー「Jazz‘n bulz」。約8割の企業が設立後の5年間で廃業すると言われている中、フィリピン・セブ島で10年以上も会社経営を続けられています。今回はオーナーの石川裕子さんに、海外で起業し会社経営を続けるコツを伺いました。※Jazz’n bluzへの行き方や店舗情報は記事の下部に掲載しております。

好奇心に従って生きてきた。

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— セブ島にくることになったキッカケは何でしょうか。

旦那がセブ島出身なので。ごく単純な理由ですね。

— 日本でも同じようなお仕事をされていたのですか?

日本にいた時は、宝石関係のお仕事とピアノの先生をしていました。音読関係はしいて言えばピアノの先生をやっていたことくらいで、お店を開いたことも起業したこともありませんでした。音楽ビジネスも会社経営も、本当に素人からのスタートでしたね。

— 全くの素人の状態からJazzバーを起業されるとは、当時はさぞかし思い切った決断だったことでしょう。Juzz bluzはいつから始められたのですか?

ちょうど12年前の2003年からjazz Blusを始めました。セブ島に来たのは1990年だったので、お店を開くまでにはけっこう時間がかかりましたね。

はじめはセブ島に来たばかりということで、旦那の仕事である中古トラックの買い付けを手伝っていました。日本へ行ってエンジンを注文したりしていましたね。フィリピン人にとって自動車を購入するのはとても高くつくので、故障したら部品を購入して交換するんです。セブ島に来て3年間はその仕事をしていましたね。

— すごい経歴ですね(笑)その後音楽関係のお仕事に変わられたのですか?

その後は、バンドのマネジメントのお仕事をするようになりました。あっその前に、音響設備レンタル(パーティなどのイベント用)のお仕事をしていました。スピーカーやドラムセットなどをレンタルしていたら、その流れでバンドもセットにして派遣することになったんです。住んでいたお家には練習スタジオがありまして、そこに人を集めて、こういった音楽をやりましょう、みたいにジャンル別にバンドを結成して。その後は演奏する場所を探して契約するお手伝いをしたりして、例えばこのバンドはこのホテルに3ヶ月契約、といった風に。私はロックミュージックが大好きで、もともと音楽を勉強していたこともあってそのお仕事をするようになりました。

実は昔、大学でクラシック音楽を学んでいました。ある程度勉強していくと、私は演奏する人には向かないなと気づいてしまったんです。その後ある日TVでGODAIGOというバンドを見たことをキッカケにロックミュージックが大好きになりました。クラシックを勉強していたのに、急に(笑)、これだ!って思ってしまったんですよね。

—まさにご自身の好奇心に従って生きてこられたという印象を受けます。お店を開かれたのは何か理由があるのでしょうか?

はい、「バンドの演奏場所を作りたい!」と思ったことが大きな理由です。当時バンドマネジメントの仕事をしているときに直面した問題は、演奏場所を見つけることが難しいことでした。基本的にホテルやライブハウスなどでは、オーディションを経て契約となります。でもフィリピンの人は契約途中でも、平気でバンドを切っちゃうんですよ。元々3ヶ月で契約したのに、1ヶ月で切ったりとか。それで自分が演奏場所を作ったらどうかと思うようになりました。フィリピン人にはレベルの高いミュージシャンやシンガーが多いのに、演奏場所がないのはすごくもったいないですよね。

フィリピン人と仕事、日本人との絆

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— 1990年のセブ島は現在とはかなり違うと想像しますが、実際はどうでしたか?

ご想像の通り、訪れた当時と今では全然違います。当時は今セブにあるようなショッピングモールなどは何もありませんでした(笑)。なんでこんなところに来ちゃったんだろうと思い、時々日本に帰っていましたね。当時セブに唯一あるのは海くらいで、今よりも綺麗でした。

— 海しかなかったセブ、高層ビルが建ち並ぶ現在からはなかなか想像できませんね・・・。当時日本人の方はいらっしゃいましたか?

いらっしゃいましたよ。当時を知る方たちとは、今でもお付き合いさせてもらっています。中には私よりもセブ島暮らしが長い方もいらっしゃいますよ。

— 20年来のお付き合い、絆が深そうですね。やはりそれだけ日本人は少なく、かつ日本人同士で助け合うことが大事だということでしょうか。

ええ、そこは本当に大事ですね。20年前に知り合い、今もお付き合いさせていただいているのは本当に有り難いことだと思っています。
一方で、初めてセブで仕事を始めたときは、フィリピン人と一緒に仕事をすることに戸惑いを覚えました。日本人はマニュアルがあれば動けるけれど、彼らにはマニュアルなんて意味がないんです。マニュアル通りにやる人は誰ひとりいなくて、みんな自分のやり方でやろうとするですよね。

— 私も今インターンシップの仕事でフィリピン人と接していますが、心当たりがあります(笑)

でしょう(笑)。彼らの多くには、実際に目の前で見せて教える必要があるんです。それも1回や2回だけじゃなくて、毎日チェックするくらい。だからお店には毎日顔をだしています。ちょっと目を離せばスマホをいじったり、お喋りしてしまうんですから。ですので、たまにいつもより早く顔を出してちょこっと驚かしたりもしています。

— なんとなく想像できますが、毎日とは大変ですね。

そうなの、毎日ですよ。灰皿の変え方、注文の取り方やお掃除の仕方なんて基本的なことも毎日確認しています。

どんな人に来て欲しいのか、そのお客様に何を提供するのか

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— 開店前はどんなお店をイメージされていましたか。

もともとBlue Noteのようなお店を開きたいという願望がありました。音楽が聞けて、ご飯が食べられて。バンドのマネジメントをしていた時のつながりから、それなりの演奏ができる人が集まっている(きちっとした音楽が聞ける)お店をイメージしました。

— 12年間も会社経営を続けられてこられて、きっと紆余曲折あったかと思います。長期間会社経営を行うに当たり、重要なこととはなんでしょうか。

苦しい時期であっても「どんな人に来て欲しいのか、そのお客様に何を提供するのか」を明確にし、この姿勢を崩さないことです。例えば、Jazzn bluzではビールは普通のお店より高く、1杯90ペソ(約270円)するんです。(※セブではビールを50ペソで飲めます。)また、実力のあるバンドに出演してもらうことです。勝手に爆音を鳴らしたりしない、お客さんに心地よい音楽を届けられるような人達に演奏してもらっています。

—ビールの価格設定が通常より高いのはなにか理由があるのでしょうか。

これは「お客さんを選ぶため」です。実は開店当初からこの価格設定です。失礼かもしれませんが、お酒が入って騒いでしまったり、きちんと音楽を聞けない人はお断りしています。他のお客さまにも迷惑が関わりますからね。そういった方がいらっしゃった時には「静かにしていただけませんか」とハッキリと言うようにしています。

— 12年間、一貫してその姿勢をとられているんですね。逆に、変化したことはありますか?

演奏する音楽が変わりました。始めはもっと落ち着いたブルースを演奏するバンドに出演してもらっていましたが、あまりフィリピン人のお客さんの受けがよくなかったんです。フィリピンにお店がある以上、フィリピン人に受け入れてもらえない限りお店は続けられませんからね。それで現在のような社交ダンスに合うようなジャズ音楽になりました。ほら、フィリピン人は踊るでしょう。結果的には今のスタイルは広く受け入れられました。

— なるほど、そういった変遷があったのですね。

一方でおもしろいことに気づいたんですが、彼らは音楽関係なしに踊るのが好きなんです。だからもう少し踊るスペースがあった方がいいなと思って、ステージ前の空間を広くしました。そうしたらやっぱり踊るようになって、楽しそうだなあと思いました。

— トラックの買い付けから現在のお店までを想像すると、まだまだ語り尽くせそうにありませんね。

ええ、たくさんのことがありましたからね(笑)1時間やそこらでは、とてもじゃないけど語り尽くせません。これだ!と思うと突っ走ってしまうので、そうするといろいろのことが起こりますね。でもそれでいいんだと思っています。

— 最後に、今後の展望を教えてください。

そうですね、もっと、小さい規模のお店を持ちたいですね。自分の好きな音楽だけで空間が満たされるような。いまの規模は少し大きいと感じていて。

人のつながりに感謝しながら続けていきたいですね。よその国にお邪魔しつつも、好奇心にしたがうことは続けていく感覚ですね。かつ、丁寧に続けていきたいです。フィリピンは大雑把な人が多いイメージかもしれませんが、やっぱりどの国であっても最低限のマナーは必要ですからね。

編集後記

Yukoさんはセブに来てから12年間、好奇心に従い駆け抜け、一貫した顧客志向で信頼を日本人からのみならず、フィリピン人からも勝ち得てきたのだと思いました。
お話を伺っているときに受ける落ち着いた印象と、この12年間の好奇心旺盛な経歴のギャップがとても魅力的な方でした。これから海外で起業、経営されていく方には彼女の12年間はとても参考になるのではないでしょうか。

Jazz’n bluzへの行き方

キャッスルピークホテルの目の前にあります。タクシー運転手に「Castle Peak Hotel」と伝えましょう。

Jazz’n bluzの基本情報

英語名 Jazz’n bluz
住所 27F Cabahug Street,Ayala Access Road,Mabolo Cebu City
営業時間 火曜 – 土曜:18:00〜2:00
月曜 – 日曜:18:00〜1:00
定休日 なし
電話番号 6332-232-2698
WiFi環境 なし
公式サイト ジャズンブルース セブの本格的なジャズバー

放浪系フリーライター。引っ越しは年に4回くらい。日本ではゲストハウスに住み込みで働きながら執筆をして生計を立てていました。現在はセブ島でコンテンツライティングのお仕事をいただきながら編集と英語の勉強中。個人ブログ(放浪系フリーライターの日常)も書いています。味覚がハジケルほど旨みのある暮らしを追い求めています。 Phil Portal全員のメンバー紹介ページはこちら

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