標高1500メートルに位置する丘がちな地形のバギオ。中でも見晴らしの良いマインズビューパークは有名なバギオの観光地の一つ。どこまでも続く緑色の山々と青い空の下で、なぜか赤いポンチョのような服を着る大勢の人々。
いったいみんな何を着ているのでしょうか?真相を確かめるべくマインズビューパークに行ってきました。ご覧下さい。
マインズビューパークの場所・行き方
夏休み期間で混雑していたこともあって市街地セッションロードよりタクシー運転手から200ペソ(約460円)を要求されましたが、通常時にはメーターで100ペソ(約230円)前後で済むでしょう。
※基本的にはメーターを動かしてくれるので交渉制のタクシーは避けましょう!
行きはバギオ名物の松の木林を抜けて徐々に見晴らしが良くなっていく過程を楽しめる道中です。観光地のため市街地への帰りのタクシーも簡単に見つかります。
マインズビューパークの雰囲気
展望台付近の駐車場でタクシーを降りると無数のお土産屋が軒を連ねています。
マインズビューパークとは?
「Mines」は鉱山という意味。展望台から見下ろす場所にはアメリカ占領下で栄えた鉱山があるということでマインズビューパークという名前が付けられています。
休日にはこの賑わいです。バギオでも有数の観光地として知名度を得ているため混雑は侮れません。
展望台からは緑色の山々の稜線を遠くまで見渡すことができます。点在する建物の屋根の色が絶妙です。
雨季にもタイミングを見計らって青空が顔を出すことだってあります。
フィリピンの人々は自撮りが大好きです。ただでさえどこでも撮っていますが、観光地ともなれば通常の比になりません。
なので私たちも負けじと写真を撮りましょう。ここでは恥ずかしがる必要はありません。大切な思い出を残しましょう!
写真といえば、混雑の中で多くの観光客が何やら奇抜な格好をしていることに気づきます。赤を基調にしたポンチョと同じ色調の帽子をかぶってみんな楽しそうに写真を撮っています。
聞けば衣装は「カリンガ族」のものだと言います。ふむふむ。
しかし、またある人に尋ねると今度は同じ衣装を「イゴロット族」の服装だと答える人もいます。いったいどういうことなのでしょうか?
カリンガ族?イゴロット族?の男性に聞いてみた
—マインズビューパークの展望台で人気のレンタル衣装。いったい本来誰が身につけているものなのでしょうか?気になったので1人の若い男性にお話を伺いました。
筆者「よろしくお願いします!」
男性「よろしく。」
筆者「唐突にお聞きしますが、あなたは何族ですか?」
男性「先に名乗ってくれるかな?」
筆者「失礼いたしました。私は日本から来ました。岩辺と申します。」
男性「俺はカリンガ族の者だ。」
筆者「やはりカリンガ族の方なんですね!つまりその服もカリンガ族のものなんですね!」
男性「いや、俺はイゴロット族とも呼ばれることもある。」
筆者「え?それはどういうことですか?」
男性「実はバギオ周辺のコーディリエラ地方には多くの山岳民族が暮らしていて、カリンガ族もその一つだ。ただ俺たちカリンガ族を含め6つの民族を総称する時にイゴロット族という呼び方が用いられるってわけだ。具体的に言えば他にカンカナイ族、ボントック族、イスネッグ族、イフガオ族とイバロイ族が含まれる。」
筆者「なるほど!では普段はどんな生活を送られていますか?」
男性「農業さ。低地のやつらには作れないうまいキャベツやレタスを育ててる。あとは豚、牛、それに鶏もいるんだ。いいところだよ」
筆者「のどかですね。昔からずっとそういった暮らしをされているのでしょうか?」
男性「暮らしそのものは変わりないが、20年前までは【首狩り族】と呼ばれていたんだ。」
筆者「首狩り族!?ですか…」
男性「そうだ。かつては他部族の首を取れば取るほど英雄に近づけた。女性もそんな強い男に憧れていたんだ。別の民族とは距離があって閉鎖的だったと思うよ。フィリピン国内でも問題視されていたみたいだし。」
筆者「なるほど。では今は首狩りは行われいないのでしょうか?」
男性「もうしてないよ。今は農業と動物の飼育で平和に暮らしてる。みんな「首狩り」のことばかりに興味を持つようだけど、伝統的な衣装や音楽の素晴らしさも知ってほしい。最近では若者も文明との接点を得て、都市や鉱山へお金を稼ぎに出て行くようになってしまって。このまま行くと文化ごとなくなってしまうのではないかと心配さ。」
筆者「近い将来文化が根絶してしまう可能性があるということですね。ではこういった観光地での衣装提供やお土産販売などもプロモーションの意味合いもあるということですね。」
男性「そうだな。これを機に俺たちのことをみんなが知って、村の若者も自分の文化にもう一度誇りを持ってほしいと思っているよ。」
筆者「そうですね。ところであなたは誰ですか…?」
民族衣装のレンタル
マインズビューパークでは20ペソ(約45円)で山岳民族の衣装をレンタルすることができます。基本的には赤色ですが、ポンチョや帽子によって少しずつデザインが異なるので選ぶのも楽しいです。
ピンク色に染色された馬に乗って記念撮影することもできます。50ペソ(約120円)です。
まとめ:青い空の下、伝統衣装で記念撮影はいかが?
いまやバギオで最も有名な観光地として日々多くの観光客の訪れるマインズビューパークは、素晴らしい山々の景色はもちろん、バギオのお土産探しにも一役買っています。
バギオの綺麗な空気を楽しみつつ、民族衣装に袖を通して思い出に残すのもいいのではないでしょうか。地域の伝統文化への接点として是非トライしてみましょう!
マインズビューパークを訪れたらグッド・シェパードというお土産屋さんでウベジャムを買うのをお忘れなく!
マインズビューパークの基本情報
英語名 | Mines View Park |
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入場料 | 無料 |
定休日 | なし |
住所 | Upper Outlook Dr, Baguio |
参考サイト | マインズビューパーク |