フィリピン留学に興味がある、または現在留学中の人の何割かは、ワーキングホリデイを予定しているのではないでしょうか。渡航先はオーストラリア、イギリス、カナダなど、英語圏多いと思います。これらの国でのワーホリを考えた時、おそらくほとんどの人はその国の主要都市しか知らないと思います。
今回インタビューさせていただいた藤原さんは、カナダでのワーホリ先にバンフという街を選びました。みなさんは「バンフ」って聞いたことありますか?知っている人は地理マニアか、もしくは山好きな人だと思います。
どうして藤原さんはバンクーバーやトロントといった都市でなく、マイナーな街バンフを選んだのでしょうか。そこにはカナダでのワーホリを考える人たちにとって、無視できない理由がありました。
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藤原まどかさん
東京の美大を休学しバギオへ10ヶ月留学。その後、カナダのバンフにてワーキングホリデイで働きながら自然に親しむ生活を送る。
出身校 | PINES |
---|---|
ワーホリ都市 | バンフ |
ワーホリ職種 | レストラン | 日々の満足度 | 100点 |
藤原さんのワーホリ前の略歴
— こんにちは、そしてお久しぶりです。今回はインタビュー受けてくれてありがとうございます。
お久しぶりです、今日はよろしくお願いします!(藤原さんと神谷は、バギオの語学学校PINES で以前あったことがあり、面識があります)
— では、これからお話を聞いていきたいんですけど、その前に藤原さんがどんな人か教えてもえますか?
面接みたいですね笑。東京の美大に通っていて、今は休学中なんですけど二年生です。10ヶ月くらいフィリピン(バギオ)で英語留学をして、その後カナダのバンフっていう街でワーホリしていました。ちょっと前に日本に帰ってきて、2018年の4月から大学に戻る予定です。
— あれ?東京の人でしたっけ? もっと田舎だったような気がs・・
“出身”は茨城です。茨城のこと、バカにしてますよね笑。
そもそもバンフってどんなとこ?
— スイマセン、冗談です。真面目にインタビューします。では、さっそくですが、カナダでのワーホリ先をバンフに決めた理由を教えてください。
理由は・・、バギオで留学してたときに神谷さんが勧めてくれたからですかね?(神谷は夏の間バンフでガイドとして働いています)
— えー、それが理由!?確かにオススメはしたけど、たまたまバギオで知り合っただけのオッサンの言葉だけじゃないでしょう。もっと決め手になった出来事はないですか?
決め手というか、理由は他にも色々あるんですけどね。まず、なるべく日本人が少ない場所がよかったんです。フィリピン留学でバギオを選んだのも同じ理由なんですが、英語を強制的に話す環境に身を置くべきだと思って、バンフならマイナーな街だから良さそうだなと思いました。あとは、バンフスプリングスホテルの写真を見たときに、ここで働きたい!って思ったのも理由のひとつです。結局働くことはできなかったけど。
バンフとは
バンフはカナダのアルバータ州にある人口約1万人の小さな街。カナディアンロッキーという山に囲まれる世界的に有名な山岳リゾートで、毎年何万人も観光客が訪れる。下の衛生写真でわかるようにバンフの街は、世界遺産に登録されている「バンフ国立公園」のなかにあり、日本人がイメージする通りのカナダの美しい大自然が広がっている。
▲バンフ
— バンクーバーはカナダ人よりアジア移民の方が多いと言われるくらいですからね。では、実際のバンフでワーホリをしてみてどうでしたか?
私は都市部でワーホリしていないので比較はできないんですけど、バンクーバーからバンフに移ってきたワーホリの子に会ったんです。その子がバンフに来た理由は「日本人だらけの環境から離れたかった。」でした。仕事も割りとすぐに見つかって、よく聞くようなジャパニーズレストランではなく、ホテルに併設されたレストランで雇ってもらえたので英語を使って働くことできましたし、バンフにして大正解でしたね。
ワーホリでの仕事と、現地で知った英語の重要性
— それはよかった。では次に仕事面のことを聞かせてもらいたいんですが、英語で苦労したことはありましたか?
意外だったんですけど、同僚がカナダ人ではなく、オーストラリア人やイギリス人が多くて、彼らの英語を聞き取れないことが多かったことです。ずっとアメリカ英語を勉強していて、オーストラリアやイギリスの英語は意識していなかったから。バギオで留学していたときは、スピーキングに特化して勉強していたのでそれが仇(あだ)になっちゃいました。あんなに聞き取れないと思わなかった。
— たしかに。バンフはヨーロピアンのワーホリが多いですからね。でも、国による発音やアクセントの違いって、どうやったら克服できると思いますか?慣れるしかないような気もしますが。
たとえば、IELTSってイギリス英語なので、リスニングを頑張っていれば違ったかもしれません。私も少し勉強していたんですけど・・。もっと真面目にやっておけばよかった笑。ワーホリ中も動画を見たりしてリスニングの勉強をしたんですけど、まだ苦手意識はあります。カナダ人のおばあちゃんの英語とかは本当に聞き取りやすいんですけどね。英語にも種類があるって身にしみました。
行動力ありすぎな藤原さんのバンフならではの遊びとは
— 仕事以外のプライベートはどうでした?友達はできましたか?
はい、できました。バンフに来た当初はまったく知り合いがいなかったので、街を歩いてその辺の人に声かけまくってました。
— すごい、ナンパしていったと。
はい笑。「わたし友達がほしいんだー。」って話してたら、いろんな人を紹介してくれたり、パーティに呼んでもらえて。
— 社交性高すぎでしょ。
あはは、でも向こうもフランス系カナダ人だったのでお互い英語が母国語じゃない分、話しやすかったのもあります。
— どんなことして遊んでたんですか ?
バンフなので、やっぱりアウトドアの遊びが多いですね。近くに山がたくさんあるのでトレッキングにいったり。途中で野生のクマに遭遇したこともあります。
— バンフあるある、なのかな。クマは襲ってこなかったですか?
大丈夫でした。クマのほうが逃げてくれたので。動物にはたくさん会えましたよ。エルク、ムース、ミュールディア、グリズリー、マウンテンゴート、ビッグホーンシープ、リス類・・他にもいろいろ。
— おお、バンフで見れる動物ほとんどコンプリートしてる。やっぱり行動力あると動物にも会いやすいのかな。
どうだろう笑。あとは友達とラフティングしてたら溺れて遭難しかけたこともありました。ヘリまで出動してたらしく後でビックリ。
— 無事でなにより…トレッキングもたくさんしたみたいですが、もともと日本でもやってたんですか?
家族で軽い登山をするくらいは。でもバンフにきて山がもっと好きになりました。いずれはネパールとかの山も登ってみたいです。
— じゃあ最後に、バンフでのワーホリ経験が藤原さんにどんな影響を与えたか、教えてもらえますか?
バンフだけでなく、バギオも含めてなんですけど、日本以外の社会を知ることができたのは、貴重な経験でした。あとは日本を外から見ることができたこと。日本って経済的には豊かだけど、まだまだ未熟な部分が多いということが身をもってわかったんです。例えばLGBTの問題意識って、発展途上国のフィリピンの方が進んでいますよね。あとは、世界的に有名な企業ですら働く人の心のケアができていなかったり。
わたしの専攻は情報デザインなんですけど、3年になると専門分野をさらに絞るんです。休学前はどうしようか迷っていたんですけど、留学、ワーホリが終わって経験をふりかえった時、「社会デザイン(社会の仕掛けや仕組みをより良いものに設計すること)」に進もうって決めることができました。
インタビュー後記
将来のことを考えながらも、イマをしっかりと楽しんでいる藤原さん。彼女くらい行動力があれば、どんな土地でも何かをつかむことができるような気がします。が、バンフというマイナーな街を選ぶところが美大生的なセンスなのかもしれません。
個人的には、「自然が好き・人と違う体験をしたい・日本人が少ない環境がいい」という人にはバンフでのワーホリをオススメします。僕はバンフでガイドとして働いているのですが、バンクーバーでワーホリをしてる子を案内することもよくあります。そして皆、口を揃えたように「バンフでワーホリすればよかった!」と言うんです。1年という限られたワーホリ期間、後悔のないように準備してくださいね。
ぼくが運営しているバンフの情報サイトBanff Portalにも、ワーホリについて書いた記事があるので、よかったら参考にして下さい。