フィリピン渡航するにあたって「お金の持ち込み方」と「換金方法」はよくある質問です。そこで今回はフィリピンでお得にペソ換金する方法を徹底的にまとめました。フィリピン滞在歴2年の僕が持っているノウハウが凝縮されておりますので、じっくりとご覧いただけたらと思います<(_ _)>
記事のもくじ
- フィリピンペソへの換金方法の総まとめ
- フィリピンでベストな換金方法とは
- クレジットカードのキャッシングはどれくらいお得なのか?
- 定番の新生銀行が実はオススメでない理由
- クレジットカードのキャッシングでは、楽天カードがおすすめの理由
- フィリピンにカードは何枚持っていくべきか
- トラブル対策(ATMからカードが出てこない・現金がでてこない)
1. フィリピンペソへの換金方法の総まとめ
- 現金持ち込みによる両替
- 国際キャッシュカード
- クレジットカードのキャッシング
- トラベラーズチェック(フィリピンでは利用不可)
トラベラーズチェックは利用できないので、3つの方法が残ります。各方法にはメリットとデメリットがあります。以下の項で詳しく解説していきます。
2. フィリピンでベストな換金方法とは
短期滞在者(1ヶ月未満)と長期滞在者(1ヶ月以上)とに分けてご説明します。
短期滞在者(1ヶ月未満)の場合
現金で持ち込み、両替するのがおすすめです。
フィリピンに持ち込める円の限度額に関しては、日本からの円持ち出し限度はありません。しかし、100万円相当額を超える現金等(旅行小切手、約束手形・有価証券)を持ち出す場合は「外貨申告」が必要です。
結論から言うと滞在の期間に関わらず、いかなる方法より換金だけで言えば両替が”最もお得”です。
数々のサイトでキャッシングのお得さが解説されていますが、意外に見落としがちなのが以下の選択肢。
- いくらキャッシュカードやキャッシングの引き出し手数料が無料であってもフィリピン国内のATM利用料200ペソがかかる場合がほとんどなこと
- フィリピンのATMの引き出し限度額がおおよそ1万ペソから3.5万ペソ(銀行によります)であること
詳細は後述しますがこれが実質の換金率(表面上の金融機関のレート+ATM手数料)に大きく響くのです。また円安傾向の為替状況や引き出し回数が増えれば増えるほど損してしまいます。
これに対して両替は街中のモールなどの換金所で1.3%~2%程の手数料で換金でき、損なイメージの現地空港の両替でも5%前後の手数料で済みます。
フィリピンペソを換金する方法・手順|セブ島のアヤラモールで実践
特に短期滞在者の方は引き出す額は限られてくるので、マニラやセブの空港到着時に最低限の両替を行い、その後、市街地のモールなどで両替を行うのがベストな方法でしょう。
長期滞在者(1ヶ月以上)の場合
やはり両替がおすすめです。
前述の通り、長期滞在者も基本的には両替が換金率だけで言うとベストな方法になります。しかし色々な国を旅される方など現金で全ての資金を持ち歩くのは困難な場合も多いです。
特にフィリピン留学の方において言うと、下記のような方にとっては現地でお金を引き出せるメリットが多分にあります。
- 長期滞在の方で円収入をフィリピンで引き出したい方
- 長期滞在ゆえに滞在期間にどの程度出費するか読めない方
- 一度の渡航の際に多額の現金を持ち込むことにリスクに感じる方
参考:セブの治安情報をフィリピンで強盗に遭った僕がまとめました
そんな方にはクレジットカードのキャッシングがおすすめです。
「国際キャッシュカードはどうなの?」という声が聞こえてきそうですが、以下にシュミレーションをまとめました。クレジットカードのキャッシングがお得であることがよくわかります。
3. クレジットカードのキャッシングはどれくらいお得なのか?
国際キャッシュカード or クレジットカードのキャッシングはどっちかお得かシュミレーションしてみました。今回の例ではこれらの方法が最大限お得になる1回で限度額まで引き出す場合を想定しており、フィリピンのATMは限度額1万ペソ(約23,000円)のものが多いので1万ペソを引き出した場合のシュミレーションとなります。尚、シュミレーションに利用するカードは次のとおりです。
国際キャッシュカード
- 新生銀行(引き出し手数料無料、両替手数料4%上乗せ)
- 住信SBIネット銀行VISAデビット付き(引き出し手数料無料、両替手数料2.5%上乗せ)
クレジットカード
- 楽天カード(年利18%、引き出し手数料1万円以下108円、1万越え216円)
- セディナカード(年利18%、繰上げ返済の際の振込手数料無料)
海外(フィリピン)に持って行くなら上記のカードがおすすめです。その理由は後述します。次の表が各カードで引き下ろし or キャッシングをした場合のシュミレーションとなります。※為替レートは「1ペソ = 2.27円(2017年2月12日)」で計算しています。
銀行名 | 新生銀行 | 住信SBIネット銀行 | 楽天カード | セディナカード |
---|---|---|---|---|
引き出し金額(ペソ) | 10,000ペソ | 10,000ペソ | 10,000ペソ | 10,000ペソ |
引き出し手数料 | 無料 | 無料 | 216円 | 無料 |
ATM利用料 | 200ペソ | 200ペソ | 200ペソ | 200ペソ |
換金手数料・利率 | 4% | 2.5% | 1.33~2.81%(注1) | 0.147%(注2) |
支払い金額 | 24,059円 | 23,719円 | 23,453~24,004円 | 23,185円 |
実質換金手数料 | 6% | 4.5% | 3.3%~5.7% | 2.2% |
国際キャッシュカードの中ではお得とされている新生銀行とセディナカードを比較すると、セディナカードの方が1万ペソあたり874円お得です。
長期滞在の方の場合はこの差がチリも積もればかなりの額になります。お金を少しでも節約したい方はカードキャッシングを、返済などを不安に思い手軽さを求める人は国際キャッシュカードをおすすめします。
ちなみにこの日のセブアヤラモールの「 CORE PACIFIC MONEY EXCHANGE」 では1ペソ=2.3014、換金手数料としては1.47%で換金ができました。
注1:利息の計算方法に関して
楽天カードキャッシングは月末締、翌27日払いであり、基本的に翌27日に前月のキャッシング利用料金+利息がまとめて引き落としされます。
なので仮に月初めにキャッシングをした場合には最大30日+27日=57日分の利息になり、締め日ギリギリの月末三日前に(海外キャッシングの場合レート確定に平均3日程要し、その確定日から利息計算をするので締め日を跨いでしまうといけないので)キャッシングをした場合には27日分の利息となります。
利率の計算はおよそカードキャッシングでは年利最大18%です。なので1日あたり「年率18% ÷ 365日=0.049%」となります。つまり、57日×0.049%=2.81%、27日×0.049%=1.33%の利率となります。
注2:繰り上げ返済に関して
(注1)で補足したようにカードキャッシングでは支払い日までの日数によって利息がかかります。なので締め日のギリギリ三日前にキャッシングをして利息を抑えるといった方法もありますが、ここでは本来の支払日より先に支払いを済ませる繰り上げ返済という手法を用いています。
- カード会社に電話連絡(セディナカードはネットだけで手続き可)
- 繰り上げ返済日までの利息を計算した支払い金額と振込口座を聞く
- 振り込む(セディナカードではペイジー払いで手数料無料)
以上の手順で繰り上げ返済を行ないます。またレート確定までに3日ほどを要すことを想定してこのシュミレーションではキャッシング日より3日後に繰り上げ返済をした場合で計算しています。つまり3日×0.049%=0.147%の利息です。
参考記事:各種カードを使ってフィリピンのATMを利用する手順
フィリピンでATMを使う方法【クレジットカード編】
フィリピンでATMを使う方法【キャッシュカード編】
4. 定番の新生銀行が実はオススメでない理由
フィリピン内において、新生銀行に対応しているATMが多く、年々国際キャッシュカードサービスを取りやめる銀行が多い中で新生銀行は引き出し手数料(日本の銀行側からの)も無料というのは魅力的です。
実際にフィリピンで生活している人にとって新生銀行の国際キャッシュカードを利用してお金をおろす方法はとてもポピュラーです。確かに上述の繰上げ返済などの手間も要らず気軽にお金をおろせる点はおすすめです、しかし実はあまりお得ではないのです。
そこでおすすめしたいのがデビットカード付きキャッシュカードです。国際キャッシュカードを発行停止する銀行が多い中でデビットカード付き国際キャッシュカードは増加の傾向にあります。
デビットカードとは
デビットカード(英: debit card)とは、預金口座と紐付けられた決済用カードである。金融機関(一般的に銀行)が発行し、このカードで決済すると代金が即座に口座から引き落とされる仕組み。
このデビットカードを用いて海外のATMから現金を引き出すことが可能で、クレジットカードキャッシングと違い、自分の預金口座から即時引き落としになる為利息の心配をする必要はないです。
また特筆すべき点としてデビットカードはクレジットカードと違い基本的には作成に審査の必要がなく誰でも持て、15歳以上から申し込みができるので高校生留学の方にはぜひおすすめしたいです。
国際キャッシュカードの手数料まとめ
銀行名 | 新生銀行 | 住信SBIネット銀行(デビット) |
---|---|---|
換金手数料 | 4% | 2.5% |
カード発行手数料 | 無料 | 無料 |
引き出し手数料 | 無料 | 無料 |
残高照会手数料 | 無料 | 無料 |
どちらも手数料無料の項目が多く優秀なキャッシュカードです、他の銀行だと各項目有料であることも多いので比較の指標にしてください。この他におすすめのカードとしてイオン銀行デビットカードが1.6%の換金手数料現状の国際キャッシュカードの中で一番レートが良いです。
しかしこちらはデビットカードに珍しく審査が有り高校生は発行できず、引き出し手数料も216円別途かかってしまうので少額での利用はおすすめできません。
5. クレジットカードのキャッシングでは、楽天カードがおすすめの理由
楽天カードはオンラインバンキングとクレジットカード付帯の海外旅行保険が充実しています。年会費も無料ですし、フィリピンでは楽天カードを使っている方が数多くいます。大変素晴らしいクレジットカードなのですが、1つだけ注意点があります。
楽天カードのキャッシング利用における注意点
楽天カードは海外キャッシングが自動的にリボ払いになるという落とし穴があります。これを防ぐためには、リボお支払いコースの変更で、1 回あたりのリボ払い額をキャッシング枠いっぱいにしておく必要があります。
楽天のe-NAVIにログインして、上記写真の手順に従います。
リボ払い額をキャッシング枠いっぱいにしましょう。
以上で設定は完了です。
Tips:キャッシングした金額を繰り上げ返済すれば更に安くなります
キャッシングした金額を繰り上げ返済することで、利息分を安く済ませることができます。繰り上げ返済をするにはカード会社への連絡が必要です。楽天カードの場合は、以下の番号となります(なぜか楽天の公式サイトでは公開されていない情報です笑)
※但し楽天カードは繰り上げ返済で振込手数料が300円かかるので注意したいです。
補足:キャッシングに馴染みのない方へ。キャッシングの説明です。
キャッシングとは簡単に言うと、借金のことです。『借金でお金を引き出す=高い金利が取られる』ため注意が必要です。楽天カードでは、金利が18%です。でも、これは年率なのでご安心ください。実際には借り入れをした期間に応じて、日割り計算します。
日割り計算に関しては先程も注記しましたが、大事なのでもう一度解説します。
まず、キャッシングの引き落とし日に関してですが、基本的には、毎月の引き落とし日(楽天カードもセディナカードも翌月の27日)に、前月のキャッシング+利息がまとめて引き落としされます。
例えば、2月12日にキャッシングをした場合は、2/12~3/27の期間借り入れをしたことになり、利息は44日分をなります。利率の計算は「年率18% ÷ 365日 × 借入44日 = 2.17%」なので、支払う利息は、22697円 × 利息2.17% = 493円となります。
以上で、フィリピンでペソ換金方法の総まとめが終了ですが、海外に行く際にはメインとなるキャッシュカードとクレジットカードの他に、予備のキャッシュカードとクレジットカードを持っていると便利です。その理由と、カードの選び方を次の項目で解説します。
6. フィリピン(海外)にキャッシュカードとクレジットカードは何枚持っていくべきか?
海外(フィリピン)では、キャッシュカードとクレジットカードの盗難被害や紛失をする人が数多くいます。そういった場合に備えて、キャッシュカードとクレジットカードは2~3枚持ち歩くようにしましょう。
フィリピンに持っていくべきキャッシュカード3枚
先ほども例にあげましたが、取り扱いATMの多さからまず新生銀行は発行しておくことをおすすめします。それに加えて、住信SBIネット銀行デビットカードとイオン銀行デビットカードおすすめです。
住信SBIネット銀行はオンラインバンキングが24時間365日利用できて便利です。かつ、ランクに応じて月1~15回までなら、無料でオンライン上からの振込ができます。口座開設も簡単でオンライン上の口座開設を使えば、約1週間で手元にカードが届きます。
基本的には住信SBIデビットカードが引き出し手数料無料で換金手数料が2.5%とお得なのでこちらの口座に貯金し現金引き出しに利用、大きな額を引き出す際にはイオン銀行口座に送金しイオン銀行デビットカード利用、新生銀行は予備で持って行くのが良いでしょう。
フィリピンに持っていくべきクレジットカード3枚
メインでのショッピングやキャッシング利用は楽天カードで問題ないです。しかし繰り上げ返済をされる方ならセディナカードが1番お得になります。こちらは海外旅行保険がないのでお好みで置き換えてください。
その他のサブのクレジットカードとしては、エポスカードとセゾンブルーアメリカン・エキスプレスカードをおすすめします。その理由としては海外保険が充実しているためです。以下に各カードの特徴をまとめました。
銀行名 | 楽天カード | エポスカード | セゾンブルーアメックス |
---|---|---|---|
年会費 | 無料 | 無料 | 初年度無料、以降3,000円(注1) |
保険の条件 | 利用付帯(注2) | 自動付帯 | 自動付帯 |
死亡/後遺障害 | 2000万円 | 500万円 | 3000万円 |
傷害治療費用 | 200万円 | 200万円 | 300万円 |
疾病治療費用 | 200万円 | 200万円 | 100万円 |
賠償責任 | 2,000万円 | 2,000万円 | 3,000万円 |
携行品損害 | 20万円 | 20万円 | 30万円 |
救援者費用 | 200万円 | 100万円 | 200万円 |
カード付帯の海外旅行保険は死亡/後遺障害のみ多い方が限度額として採用されますが、それ以外は補償額の上限が上乗せされていきます。なのでこの3枚を持った場合、以下のような補償を受けられます。
補償内容 | 各保険額 | 合計保険額 |
---|---|---|
死亡/後遺障害 | 3,000万 | 3,000万 |
傷害治療費 | 200万+200万+300万 | 700万 |
疫病治療費 | 200万+270万+200万 | 770万 |
賠償責任 | 2,000万+2,000万+3,000万円 | 7,000万円 |
携行品損害 | 20万+20万+30万 | 70万 |
救援者費用 | 200万+100万+200万 | 500万 |
特にこの補償額はフィリピン滞在においては十分すぎるくらいなので、楽天カードの利用付帯を適用し忘れなければ、年会費がかかるセゾンブルーアメックスカードは必要ないかもしれません。
注1:ただし25歳まで年会費無料になりますので、持って行けばとても心強い保険内容です。
注2:利用付帯について
楽天カードは日本出国前に公共交通機関やツアーの代金を楽天カードで支払った場合のみ海外旅行保険が付帯されるので注意が必要です!しかしそれを逆手にとり、長期滞在(90日以上の方)方は海外に行ってから公共機関の支払いに利用しカード付帯保険を延長する裏技があります。リクルートカードやJCB一般カードなど裏技が使える利用付帯のカードと組み合わせることで、海外旅行保険を90日から更に延長できます。その方法は以下の記事をご覧ください。
海外旅行保険は必要なし!クレジットカード保険を5ヶ月間に延長する裏ワザ
海外旅行前に保険選びで迷っているあなたへ。クレジットカードの海外保険を5ヶ月間に延長する裏ワザをご紹介します。これから海外旅行をお考えの方はぜひ記事をご覧のください。
このようにクレジットカードを複数カード併用することで海外保険の費用を節約できます。但し飛行機欠航/遅延・ロストバゲージ保険はセゾンゴールド・アメリカンエキスプレスカードなど年会費がかかるクレジットカードにしかついておらず、また意外に盲点なのが歯科治療にも保険が適用できないことが多く、歯の治療中の方は特に注意が必要です。
7. トラブル対策(ATMからカードが出てこない・現金がでてこない)
- ATMにカードが飲み込まれた
- ATMから現金が引き下ろせない
順番に対応策を解説します。
1. ATMにカードが吸い込まれた場合
たまーに起こることです。僕も以前に似たような経験をしていまして、ATMからカードが出てこなくなりました。どうしようかと、ATMの前で5分ほど立ち尽くしていたら、突然カードが出てきました。
5分以上待ってもカードが出てこなかった場合は、以下の2点を行いましょう。
- 取引履歴のレシートを無くさないようにする
- ATM番号を控える
ATM番号は各ATMの横に書かれています。その後、ATM番号の横に書かれている連絡先に電話をしましょう。平日なら係員が対応してくれるはずです。係員の指示に従ってください。
※クレジットカードが吸い込まれた場合は、念のためクレジットカードを停止しておきましょう。
2. ATMから現金が引き下ろせない場合
これはわりとよく起こります。正常に引き下ろし取引をおこなったはずなのに、お金がでてきません。
解決策は他のATMを利用することです。なぜ、現金がでてこないかというと、ATMにお金が入っていないことが原因のようです。フィリピンのセブ島なら、ITパークやアヤラモールなどで引き下ろしをすれば正常に動きます。
長文となりましたが、以上となります。
記事が参考になりましたら幸いです。