フィリピンの名物料理レチョン。強烈なインパクトとクセになる味わいは人々のハートを掴んで離しません。今回はそんなレチョンを求めてあえてローカルな屋台に繰り出しました。
フィリピン伝統料理であるレチョンとは?
レチョンとは、炭火で子豚を一頭まるごと焼いた料理です。フィリピン伝統料理として有名ですが、実はスペイン発祥です。かつてスペインの植民地だった時代に伝わったものとされています。
肉に皮はもちろん、焼く前に取り除かれたレバーや内臓、血でさえも他の料理に使用されるなど食べられない部位がないと言われています。
レチョンが食べたいので、近所の露店に繰り出してみる
国民食のレチョンですが、とりわけセブ島のレチョンは一番美味しいという噂。それを聞いて行きつけの近所の露店に繰り出してきました。
こうした露店では毎週日曜日の朝7時からレチョンが売り出されます。
※お店によって多少時間に差はあると思います。
最寄りの露店に到着するとちょうど紙に包まれたレチョンがバイクで運ばれてきました。2人乗りをしていた男性に挟まれたレチョンから油が滴り落ちます。
テーブルに乗せられたレチョンは包丁で切られて量り売りされます。
ぼくの行った露店では以下のような値段設定でした。
露店のレチョンの値段
重さ | 価格 | 目安 |
---|---|---|
1kg | 450ペソ | 8人前 |
3/4kg | 360ペソ | 6人前 |
1/2kg | 230ペソ | 4人前 |
1/4kg | 130ペソ | 2人前 |
1/8kg | 100ペソ | 1人前 |
平日に鶏肉・牛肉などの串が5〜20ペソで販売されていることを考えると値段設定としてはご馳走の扱いといえます。
100ペソで1/8サイズを注文してみます。一緒にライスも付いてきました。
一口サイズにカットされた肉は柔らかくてジューシー、皮はパリパリでライスとよく合います。肉は酢醤油に唐辛子を加えたものにつけて口に運びます。
ただの豚の丸焼きではない。フィリピン人にとってのレチョンとは。
決してフィリピンにおいてレチョンは安い買い物ではありません。それでも小さな屋台には朝7時にもかかわらず地元の人たちがちらほらと集まってきます。
フィリピンでは祝い事や祭日にレチョンは欠かせないものとされています。
嬉しそうにビニール袋を提げて帰っていくあのおじさんは家族の誰かが誕生日だったりするのかもしれません。
毎晩夜遅くまで露店を開いている家族も今日が日曜日だからか家族総出でいつもより楽しそうに仕事をしているように見えます。
レチョンを売り切ったら今日はお店を閉めるのだそう。
フィリピン人にとって大切な場面に昔も今もこれからも登場し続けるであろうレチョン。幸せな時間の真ん中にそれがある限り、これからもレチョンは彼らのソウルフードであり続けるでしょう。