みなさんはじめまして。わたしの名前は神谷 龍範(かみや たつのり)。バギオの語学アカデミーPINESでアシスタントマネージャーをしている。肩書こそ横文字でおしゃれだが仕事内容はほとんどが雑用。Phil Portalへの記事投稿は唯一わたしに与えられた表舞台である。
とはいえ、どんな仕事でもかる~くこなしているわたしとしては、記事のひとつやふたつ作るのなんて余裕。ものの5分で仕上げてしまいたいところである。
〜Phil Portalバギオオフィス〜
神谷「なんか面白い動画ねーかな~っと」
ガチャッ
神谷(ヤベッ、岩辺くん帰ってきた。仕事してるふりしないと)
岩辺「おつかれさまでーす。神谷さんもう夕飯すませました?
日本食でも食べに行きましょうよ、新しくNARUTOっていうお店ができたんですよ」
カタカタカタ ターン!
神谷「おつかれー!メシまだだよ。でも今日は仕事しすぎて疲れてるし近所の屋台で軽くすませたいかなー^^」
(お金ないから日本食レストランなんていってらんねー)
岩辺「そうですか、いい機会だから神谷さんにグルメ記事書いてもらおうと思ったんですけど…。食事代は経費から出しますし」
神谷「グルメ記事の執筆かー、仕事なら仕方ないね。ちょっと疲れてるけど、行くよ^^」
(タダ飯!?それは行くでしょ!わたしお腹ペコペコですわ!)
岩辺「お疲れのとこすいません。じゃあ行きましょうか!」
NARUTOの場所・行き方
NARUTOはシティホールの正面に位置するトラベライト・エクスプレス・ホテルの一階のテナントにはいっています。バーナムパークからだと徒歩5分くらいですね。トラベライト・エクスプレス・ホテルはセッションロードから車で5分ほどの距離です。
セッションロードからタクシーにのれば50ペソ(約120円)でもお釣りがくるでしょう。タクシーも頻繁に通る道路沿いなので、帰るのにも困ることはありません。
おしゃれタウン・バギオの表参道「セッションロード」を歩いてきた!
NARUTOの雰囲気
ふむふむ。これがNARUTOか。オープンしたてだけあってキレイな外観、悪くない。シック過ぎないカジュアルな印象。ボッチのわたしにも入りやすい。
そして暖色系の照明が食欲を刺激してきやがる。フィリピンの大衆食堂は安っぽくて薄暗いLED照明が多いのだ。この店、基本をおさえているな。
「いらっしゃいませ〜」
お店にはいるとウエイトレスのお姉さんたちが笑顔で歓迎してくれた。トレーニングされているのか、発音もキレイである。余談だがフィリピン人女性は肌が白くみえるように写すと喜ぶので若干カメラの露出設定を変更した。
(右端のお姉さんちょっとキレイだな)
※注文は英語になります
平日19:30の店内の様子。席はそれなりに埋まっている。客層はフィリピン人が多いようだ。
さてさてこの店は日本人のわたしの舌を満足させてくれるのかね?^^
個室もあるようだ。語学学校の留学生同士で宴会をするときなんかは個室を利用するのもいいかもしれない。彼女とのデートにも使えそうだ。まあ、ボッチのわたしには関係のない話だが…。
※比較的落ち着いた雰囲気の客層なので店内は騒がしくはありません。個室でなくてもゆっくり会話を楽しめるお店でした。
NARUTOの料理
メニューは日本食レストランらしく和食が中心。居酒屋のようなおつまみメニューも充実している。焼酎が飲めるのがNARUTOの売りのひとつ。
岩辺「大人数で鍋をかこみながらお酒を飲みたいですね〜」
ちなみにわたしは下戸なのでボッチ飯の方が気が楽である。
さてさて。まず最初に運ばれてきたのは卵焼き。大根おろしとネギがのっていて上品である。日本の居酒屋で出てくるようなだし巻き卵。 お値段は108ペソ(約250円)。
お次はバギオシーザーサラダ。ふだん生野菜を食べないわたしは、「女性むけにサラダも注文しなきゃね^^」と、タダ飯をいいことに積極的にビタミン摂取をはかる。ドレッシングの味も日本人好みで食べ飽きない。お値段は168ペソ(約390円)。
料理はどんどん運ばれてくる。注文してから待ち時間は10分くらい。待たされることがないのも好印象。
※週末の混雑時はもう少し待つかもしれません
定番の唐揚げ。お肉はジューシーで柔らかく、ニンニクの効いた味。ウマシ!これだけで白飯何杯でも食べれますわ!タルタルソースをつけて食べるのもまたヨシ。ちなみにフィリピンの屋台で唐揚げを買うと、骨ばかりで肉を食った気がしない。お値段は158ペソ(約370円)。
わたしはカツ丼が大好きだ。死ぬ前に何を食べたいかと聞かれたら即答でカツ丼と答える。くい気味でカツ丼と答える。ゆえに海外で日本食レストランにはいったときに頼むのは必然的にカツ丼である。
海外で注文するカツ丼。それは希望であり、ときに絶望でもある。
カツ丼にまつわるエピソード
そう、あれは5年前のことだ。わたしはインド北部の街バラナシにいた。今よりもさらにお金がなかったときの話だ。朝昼晩すべての食事がカレーだった。来る日も来る日もカレーだった。わたしは香辛料を体内に入れ、そして排出するだけの物体だった。
もう飽き飽きしていたのだ、ガラムマサラまみれの生活に。醤油の香りを求めていた。奥深いダシを舌全体が欲していた。
気づくとわたしは、薄暗い路地にある日本食レストランとは名ばかりの小汚い食堂で「Katsudon」を注文していた。なぜKatsudonをつくるのに1時間もかかったか、インドにたいして愚痴をこぼすのはよそう。
それよりも、目の前にある謎の料理。これは一体なんだろうか。わたしの知るカツ丼とは大きく趣を異にするものだ。卵と鶏肉を炒めたものが、パサパサのバスマティライスの上にチョコンと申し訳なさそうに乗っている。
カツ丼とは衣をつけて揚げた豚肉、すなわち「カツ」を卵でとじたものだ。そして鰹だしと醤油をベースにしたスープで煮込むという行程をへている料理のはずだ。
わたしは絶望していた。
インドという国にではない。日本料理の再現の難しさにである。おそらく、カツ丼という料理がこの食堂のメニューにのったとき、日本人がなんらかのかたちで関わっていたのだろう。しかし、現在この店に日本人はいない。おそらくこの食堂のカツ丼は、いつのまにか衣をつけるという行程が無くなり、豚肉の代わりに鶏肉を使いだし、醤油を仕入れることをやめ、ダシの代わりにガラムマサラを選択したのだ。「カツ丼」は、いつのまにか「Katsudon」というインド料理に変わっていた。
日本人でなければ、カツ丼をカツ丼のまま保つことは不可能だったのだと、絶望とともににレストランをあとにしたのである。これはわたしが20代の前半だったころの苦い思い出であり、教訓だ。
本題に戻ります
…長くなってしまった。本題はここNARUTOのカツ丼だ。見たところ、豚肉をつかい、衣もついている。見た目は完全にカツ丼だ。しかし安心はできない。ここはバギオ。フィリピンである。カラマンシーがふんだんにつかわれた酸っぱい料理の可能性もある。
※カラマンシーとは日本のすだちのようなもの
どれ、においは…うん。醤油とダシの香りが鼻孔をくすぐる。イカン、よだれが止まらない。もう、これは、「カツ丼」や!!!
うまーーーーーーーーーーー!
これはうまいと言わざるを得ない!
頭の中では、かの名曲「ルネッサンス情熱 ※ミスター味っ子のテーマソング」が勝手に流れている!
柔らかいカツが、ふわとろ卵が、舌の上で踊っておる!そしてこの絶妙なボリューム!カツ丼だけで満腹にさせず、サイドメニューも楽しませてくれるという心づかい!ニクい!もはやこれは完璧なカツ丼と断ずるに些かの躊躇も持たぬ!!!
と、ちょっと興奮しすぎてしまった。しかしマジでうめーな、ここのカツ丼。毎日食えるわ。お値段は198ペソ(約460円)。
最後に運ばれてきたのは辛味噌ラーメン。濃厚でピリ辛のスープに大きめのチャーシューが二枚、味玉、コーンがトッピングされている。
岩辺「お酒を飲んだあとのシメに食べたくなります!」
お値段は268ペソ(約630円)。
オーナー原田さんとの話からみえた、NARUTOのおいしさの秘密
神谷「いや〜、激うまでした。実はバギオに来てから日本食レストランにはいったのははじめてだったんですが、こんなにおいしいとは思わなかったです。シェフの教育は原田さんがなさっているんですか?」
原田さん「そうですね、味の管理はわたしがしています。特に味と食材の鮮度には気を使ってますね。やっぱりフィリピンの人では日本食の微妙な味の違いがわからないのか、ほっておくと味がすぐに変わってしまうんです笑。なので、必ず味見をするようにしてますし、キッチンスタッフにも常に食材の鮮度を気にするようにいっています。」
神谷「なるほど、日本人の舌でしっかりと管理しているからこそ、このクオリティが保たれているんですね。素晴らしいです!それに値段も比較的リーズナブルだなと感じました。」
原田さん「ありがとうございます。お金を持っている外国人、旅行者だけでなく地元の方にもきていただきたいのでマクドナルドで食べるより少し多めに出せばこれるくらいの価格にしています。」
神谷「先程地元のフィリピン人のお客さんとも少しはなしたんですが、ここはおいしいと褒めいていました。味だけじゃなくてウエイトレスさんも感じがいいし、居心地がいいですね。」
原田さん「はい、ウエイトレスに関しては教育もなんですが、人当たりの良い子を雇うようにしています。あとは素直な子ですね。これはキッチンスタッフにもいえるんですが。」
神谷「たしかにみんな笑顔が素敵ですね。NARUTOさんにはこれから何度も通うことになるので今後ともよろしくお願いします!」
原田さん「はい、ありがとうございます。もしも料理におかしな点があったら遠慮なくクレームいれてくださいね笑!」
まとめ:NARUTOは一回行っただけでは満足できない
今回頼んだのはメニューのごく一部。他にもお好み焼きや、チャーハン、お鍋のメニューなど、満腹中枢を麻痺させてでも食べたくなる料理ばかりだ。今後は自腹をきって食べにこよう。
これだけは言える!バギオで日本食が食べたくなったらNARUTOに行けば間違いない!
NARUTOの基本情報
英語名 | NARUTO |
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住所 | Shuntug Street Corner F. Bautista Drive, Baguio, 2600 Benguet |
営業時間 | 11:30~15:00/18:00~21:00 |
定休日 | なし |
電話番号 | 09214783690 |
WiFi環境 | なし |
公式サイト | NARUTO |