青年海外協力隊50周年記念映画『クロスロード』の記者会見・特別上映会がバギオで開かれ、私たちフィルポータルも招待していただきました。
今回は当日の様子とバギオが舞台の映画『クロスロード』についてご紹介します。8月にもバギオで上映会が合計5回あるのでバギオに滞在中の方は必見です!
国際交流基金主催の『クロスロード』記者会見、撮影秘話
当日会場となったのはバギオでも屈指のおしゃれレストラン「Hill Station」。貸切の会場中心には大きなプロジェクターがセットされていました。
参加者にはJICA、国際交流基金マニラ文化センターそれぞれからの資料に加えコーディリエラ地方の名産コーヒー豆「KAPITAKO」とジンジャーティーが特典として用意されていました。
会場には主催の国際交流基金マニラ日本文化センターの関係者をはじめ、日本・フィリピンの各メディアの方々がいらっしゃいました。
料理を囲みながら各界の皆様とご挨拶。この日のためにマニラから来たというフィリピンのメディアも多く見られました。
その後、会は国際交流基金マニラ日本文化センターの活動紹介に始まり、JICAの活動紹介、フィリピンとの関わり、出演ローカル俳優の記者会見、撮影秘話などの順に進行されました。
国際交流基金(JAPAN FOUNDATION)とは?
まず今回の記者会見・特別上映会をコーディネートしている国際交流基金(JAPAN FOUNDATION)とは一体どのような活動をしている団体なのでしょうか?
国際交流基金とは、国際文化交流を図る日本でただ一つの機関です。活動軸は「文化芸術交流」「日本語教育」「日本研究・知的交流」の3つです。
中でも映画を通じて日本を広めることの意義を「映画を観ることはもっとも簡単な異文化理解の方法」とおっしゃっていました。
毎年8月に行われるフィリピンでの「日本映画祭」は2016年で20周年を迎えるなど精力的に活動されています。その規模や認知度も年々高くなっています。
映画『クロスロード』のモデルとなった協力隊員渡辺樹里さん
中には映画に登場する羽村和也隊員のモデルとなった元協力隊員の渡辺樹里さんも登壇。世界遺産の棚田の村マヨヤオの水田でドジョウ養殖に取り組むシーンが映画にも登場します。
この場ではどうしてドジョウ養殖に至ったのかの詳細を説明していただきました。主な目的は棚田保全と現地農家の生計向上。伝統的な農法で土地が痩せて米の生産量が減少したせいで現金収入が得られなくなり都市部に出稼ぎに行く人も増えていたという村。
なんとか収入源を村の人々に納得してもらえる形で作りたいという熱い想いの下で試行錯誤をして現地の人々と協力しながらプロジェクトが進められたそうです。
渡辺さんらの努力の甲斐あって今では現地の人々に技術が定着し、農家から農家へと技術が広まっているそうです。
バギオが舞台の映画『クロスロード』特別上映会
会場を同じ建物内にあるシネマテックに移動します。FDCP(Film Development Council of the Philippines)という国立の委員会が設立したシアターです。シネマテックは過去の名作フィリピン映画や世界各国の映画を特集上映して映画を振興させる目的で創られました。
映画『クロスロード』(すずきじゅんいち監督)は日本ではすでに2015年に公開されており、今ではDVDも販売されています。
提供元:“Crossroads” Production Committee
物語はフィリピン・バギオに派遣される3人の協力隊員を中心に展開されます。核となるテーマは「ボランティアとは何か?」。
特に「ボランティアなんて偽善だ」と懐疑的な思いを抱くアシストカメラマンの沢田樹と、「困っている人の役に立ちたい」という元大手商社マン羽村和也の衝突。そして、それぞれがフィリピンで過ごす日々によってどう変化していくのかがリアルに描かれています。
出演は沢田役をEXILEの黒木啓司さん、羽村役を渡辺大さん、そして2人と協力隊同期のシホ役にはモデルのTAOさんが演じます。
色々な考え方がありますが、自分のボランティア観と世界との接し方を照らし合わせて観るとより面白いと思います。もちろんバギオやコーディリエラ地方の美しい景色も多く登場するのでフィリピンに滞在したことのある方やこれから来ようと思っている方にはオススメです!
まとめ:『クロスロード』を観てあなたの旅を始めよう
記者会見・特別上映会に参加させていただいてストーリーはもちろん、その裏にある秘話と映画を通して伝えたかったことを垣間見ることができました。
自分の世界観と照らし合わせてみるのも良し、友達と後で振り返るのも良し。時間が経っても大切にできる一本でした。
予告:映画『クロスロード』の上映日
映画『クロスロード』は8月15,16,17,20,21日のいずれも17:30よりバギオのシネマテック(地図)で公開されます。無料なので是非みなさん足を運んでみてください!