フィリピン・バギオにある語学学校JICにてマネージャーを務める野口さん。バギオに訪れたのは4年前で、もともとJICの留学生でもあったそうです。
今回はそんな野口さんに、マネージャーという視点から、JICのカリキュラムの強みを詳細にお伺いしました。
野口智也さん(27歳)
バギオJIC日本人マネージャー。講師のマネージメントや生徒のケア等、幅広い業務を手がける。JICへ留学したことがバギオへ来るきっかけ。留学後は帰国するも、腐れ縁で再びバギオで働くことに。バギオは通算で4年目。
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バギオJICで英語が伸びる3タイプの人
ー 初めてのバギオは4年前、腐れ縁でJICに戻ってこられたと。野口さんから見て、JICの強みはなにでしょう?
貢献できるお客様が明確に決まっていることですね。3タイプいらっしいます。一つは超初級者の方。
インテンシブベーシックESLというコースに対応しているのが、超初級者の方向けのキャンパスになります。外出禁止で一日、11〜13時間勉強しないといけない、かなり詰め込み型の学習塾みたいなところです。
もう一つはパワースピーキングコースといって、スピーキングを伸ばしたい人、実践英会話を伸ばしたい人のためのコース。インテンシブベーシックESLとはキャンパスをわけています。
ワーキングホリデーに行くためだとか、ネイティブとの会話に慣れておきたい人とか、マンツーマンが多いのが良いとか、さまざまな目的に対応できるようなカリキュラムを設定しています。
ー パワースピーキングコースは、あくまで会話がメインなんですね。
はい。そして三つ目がIELTS。
IELTSコースも3種類(ビルドアップコース・テストテイカーズ・点数保証コース)あって、生徒さまの目的に対応できるようにしています。
例えばIELTSビルドアップコースは、IELTSの教育メソッドを使って実践的な英語力を伸ばしたい人のためのコースです。あとはテストテイカーズ(2つ目)というテストの点数を取るテクニックが学べるコースもあります。
IELTSをコース別に利用できるのはうちだけだと思います。あとは点数保証もありますね。
ー 確かにIELTSコースと聞くと、IELTSコース、TOEICコースといったように、テスト対策にひたすら取り組むイメージをしますね。ただ点数を取りたい人と、資格の勉強を通して深く学びたい人とでは目的は異なりますね。
その通りです。うちの校長は、目標が全く違う人に同じやり方をしても効率が悪いってよく言うんですよ。
うちは6時間のマンツーマンを用意していて、2時間がWritingで2時間がSpeaking。残りはReadingとListeningに1時間ずつを割り当てています。
WritingとSpeakingに比重を置いているのは、それらがアジアの学生の苦手部分であるからです。生徒さまが求めているものに、より近づけるようにと毎日考えています。
ベテラン講師の支えるグループクラス
ー 資料を拝見させていただくと、グループクラスも10個くらいとかなり細かくありますよね。
そうですね。パワースピーキングコースには10個くらいありまして、CNNのディクテーションを導入したのは、バギオではJICが初めてだと思います。ListeningのクラスにCNNを取り入れました。
ー CNNニュースの内容をディクテーションですか?間違いなく大変ですよね笑。
かなり難しい部類のクラス入ると思います。始めはみんな全然聞き取れなくて、落ち込みますね。しかし耳が慣れてきて、聞き取れる部分・聞き取れない部分がだんだんとわかってきます。
ー もちろん先生は、きっちり書き取れるわけですよね。ネイティヴスピーカーが話すニュースを。会話とは違って一方通行に話すことを書き取れるのは、すごいことだと思います。
そうですね。担当はアレックスっていう先生なんですけど、優秀ですね。
ー これだけ細くなってくると先生自身の教育、教えるノウハウを溜め込むっていうのが大変になってくると思います。そのあたりはどういった工夫をされているのでしょう?
うちはグループ持ってる先生は3年以上働いている人たちなんですよ。
ー 3年? フィリピンだとかなりの長期勤務で、珍しいですね。
うちはパワースピーキングに関しては、8割の先生が3年以上働いています。7、8年はざらにいますし、なかには10年働いている先生もいます。おっしゃる通り、他と比較しても定着率が高いと思いますね。
もちろんシラバスはあるものの、グループクラスはそれなりの経験とノウハウが必要になります。多対1のクラスをコントロールするのはかなり難しいので、新人にグループは任せません。
ー おっしゃる通りですね。
たとえ交代することがあっても、まずベテランから選び、その人がスキルを身につけてから、交代してもらっています。
たまに産休をされる先生もいますが、一定期間代役をお願いする場合も3年以上の経験がある、かつ皆から能力が認められている講師にお願いしています。
講師の定着率の高いJICの工夫とは
ー フィリピンだと半年ごとに契約更新で、短くて3か月で辞めるとか、中には採用試験を突破したにも関わらず3日くらいで来なくなってしまうことも耳にします。野口さんの目から見て、JICの定着率の高さは何が要因でしょう?
単純に居心地がいいんじゃないですかね。アットホームな感じなので。マネージメントは、とにかく先生とコミュニケーションを取るんですよ。
あとは採用に気を使っていて、ヘッドティーチャーの目とスタッフの目から見て採用面接を行っています。ヘッドティーチャーは、テクニック(教える力があるか否か)、マネジメントはサービスの力を見ます。
具体例を挙げると、経験があまりない先生だと、生徒さんのレベルが期待に達してないと「なんでこんなこともわからないんだ」って態度に出します。うちは初心者の生徒さまが多いので、そういう人は採りません。
そういう面は、マネジメントが見ないとわからないんです。ヘッドティーチャーの目からだけだとそのバランスが狂うので、採用試験時にマネジメントが参加できない時はビデオを撮るようにしています。
ー 2つの視点からの採用をこころがけているんですね。
はい、あともう一つ、講師へのトレーニングも功を奏していると思います。月に一回、実施していて、先生とマネジメントで課題を共有、彼らに解決策を導きだしてもらっています。
マネジメントが毎月、生徒さんのデータを集計し、どこが伸びていてどこが伸びてないかを知ったり、卒業生をベースに入学時と卒業時の成績を比較たりして、統計を取るんです。
ー 月次データや入学時と卒業時の成績を比較して、伸び具合を見ると。
はい、例えば今月に30人卒業したとすると、30人分のデータが手に入りますよね。そうすると顕著に伸びてない項目があったりするんですよ。顕著に伸びないというのはまれですが。
うちだとグラマーなんですけど、データを取ることで生徒さまの弱点が目に見えてわかりますし、先生たちとも向かうべき方向を共有できます。
それについてどういう解決策が出て、どんなトレーニングで補うのか。具体的なプロセスまで考えさせて上にフィ−ドバックを上げさせています。日本の会社みたいなシステムを取り入れて、具体的なトレーニングができるようになったかなと思います。
メンタル面にも配慮した環境づくり
うちはその段階ですね。あとは先生達にもっと長くいてもらうとか、働きやすい環境づくりですね。フィリピンの人は環境が好きだと色々と頑張るので、そこはでっかいですよね。
お金の面だけじゃなく、気持ちの面はとても気を使っています。レストランのオーナーとかにもお話を聞くんですが、誕生日にプレゼントあげたり、おめでとうって言ったりすることはとても大切らしいです。
ー 日本人よりも、誕生日に思い入れがありそうですね。
はい、マネジメントと先生との距離が近くなるので、そういった要素も取り入れるようにしてます。この人たちだったら怒られても良い、という関係は築けているのかなと思います。
ー 生徒さんに一人、メンター的な人がつく制度もありますよね。生徒さんのメンタル面もケアされているのでしょうか。
はい。フォスターペアレンツですかね。アドバイザーとして先生が一人ついて、相談を聞いてくれるものですね。
「最近どう?」とフランクに、生活面のことも聞いたりもします。絆を作る狙いもあると思いますし、戦略的に英語を伸ばすために話を聞く狙いもあります。
初心者の生徒さまが多いので、先生とコミュニケーションとるための機会として僕は捉えています。本当の初心者にとっては、英語で相談することすらハードルが高いことですから。
野口さん談、留学における3つの大事なこと
ー JICのウリである豊富なカリキュラムを支える裏には、仕組みを日々改善する取り組みがあったのですね。では最後に、これからバギオに来られる方に何かお伝えしたいことがありましたら、お願いいたします。
「迷ってるならやった方がいいよ」とお伝えしたいですね。英語学習は時間のかかるものですし、始めない限りとずっと身につくことはありません。
留学って「留学して本当に結果が出るのかな」とか、迷っている方が多いと思います。僕は、ちょっとでも前向きな気持ちがある人に対しては背中を押すタイプです。
—始めない限りずっと身につかない。おっしゃる通りだと思います。
そうだ、これをお伝えして終わりにします。留学には3つ大事なことがあって、ひとつは「時間」です。
どんな時間かというと、人生を考え直したりとか英語を学びながらキャリアを考えたりする時間です。日本にいると、なかなかできないと思うんですよね。特に社会人とっては、留学は人生の休憩所みたいな役割がありますね。
ふたつ目は「出会い」ですね。大学生だったら、フィリピン留学をして30歳くらいの人に出会うこともあるわけですよ。
また「自分は英語を使って社会に出てしっかりとした会社に働きたい」って思った時に「これから世界一周に行くんだ」って人に出会ったりする。そうすると、大学生の方たちにはまったく違った視点が生まれるんですね。
ー えっ世界一周するんだ、って。
いま自分のしていることが、自発的にしているのか、義務的にしているのか、そこの岐路に立たされる。これはとてもいい刺激になります。学生のうちにいろんな事をやろうって人も出てくるし、なかには社会人の方で「旅に出たい」って思う方もいます。
—時間、出会い、最後の一つは何でしょう。
三つ目は、経験ですね。韓国人、台湾人、フィリピン人、外国人の友人がつくれる機会って、日本にいるとなかなかない。
同じ時間を共にして友人になって、それぞれの国に行った際にガイドしてくれたり、逆に日本に来た時にガイドしてあげたり。仕事を紹介してもらうこともあり得ますよね。
一度勇気を出して、海を越えてしまえば、意外と簡単に友達がつくれてしまう。そういった経験を自分の中にもてるっていうのは、お金には変えられない価値だなって思います。
ー 明確にメリットを把握されてますね。
僕自身が得たものでもあるので。そういった機会が日本に全くないかというと、実はそうでもない。見つけにくいですし、見つけたとしても話しかける勇気が要る。
留学はそこを取っ払ってくれますし、帰国後は外国人に話しかけるハードルがグッと下がっているかと思います。
ー なるほど、それはありそうです。時間、出会い、経験、この3つが留学のメリット。とてもわかりやすいまとめ、ありがとうございました。
インタビュー後記
腐れ縁とは言いながらも、バギオに4年近く滞在する野口さん。長期滞在者かつマネージャーという視点から、留学のメリットやJICの強みがよくわかるインタビューでした。
留学の目的に合う・合わないが留学前にわかるのはとても貴重。JICはその点を徹底している学校ですね。ピンときた方は下記の記事もご覧になってはいかがでしょう。
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