フィリピン・セブ島で暮らしていると、英語の普及率に驚かされます。現地人にとっては第2言語であるはず英語が、ラジオやテレビからは当たり前のように流れ、フィリピン人はアメリカン映画を字幕なしで見ています。
その一方で、日本では英語が普及していません。義務教育で10年くらい勉強しているのに…。
英語の普及率が高いフィリピンは現地に英語が溶け込んでいます。
そこで今回は住んでみて分かったことを書きます。
なぜ、日本では英語が普及しないのか?
まずは日本のお話から。なぜ日本では英語が普及しないのか。その理由を考えてみました。
話せなくても困らない
私たち日本人は、英語を話せなくても大して困りませんよね。海外に出て仕事をする、外資系企業で働く、上司が突然外国人になった、などのケースがなければ英語を使えなくても十分に暮らすことができます。
選択肢が多い
英語が話せなくても困らないというのは、仕事の選択肢が多いということです。例えば吉野家や松屋で3ヶ月アルバイトしたら、フィリピンで約1年過ごせる程度のお金が手に入ります。
母国語さえ話せれば、たくさんの仕事があります。仕事を獲得するために、第二言語を習得する必要がありません。
情報が多い
日本では当たり前だけど、検索をするとたくさんの情報が手に入ります。情報発信をするひとがいるためです。実は、そうではない国もあるのです。
フィリピンでは、Facebookをたくさんの人が利用しています。これは人から聞いた話ですが「インターネットはしていないが、Facebookならしている」というフィリピン人もいるそうです。
検索をして調べものをする習慣がないことが伺えます。
フィリピンに英語が普及していることが分かる実例
公用語である
フィリピンは、たくさんの島が集合している国で約80の言語があると言われています。異なる島の人同士で会話する際に都合が悪いこと、アメリカ統治の時代に英語が普及したことから、英語が公用語として用いられています。
厳密には「タガログ」という言語が公用語とされていますが、実質は英語が公用語として機能しています。筆者も、普段の生活では英語を用いています。
大学教育は英語で行われる
フィリピンの大学教育のほとんどは英語で行われるそうです。これは語学学校の先生(大学時代は心理学を専攻)に聞いた話ですが、授業は英語で行われ、ディベートをする授業はかなりのスピード感があり大変だったそうです。
フィリピン人は、アカデミックな領域を学ぶためには英語が必要になるのです。
英語レベルが仕事(収入)に直結する
フィリピン人のほとんどに英語が普及しているのは教育の賜物ですが、彼らが 自発的に英語を学ぶのは、仕事を獲得するためです。
現在のフィリピンの就職状況は買い手市場で、人口に対して仕事が足りていない状況です。セブ島においてはコールセンター・ナース・英語教師の仕事がメジャーですが、ナースを除いた2つは、どちらも英語が堪能でなければできません。
またエンジニアなどのIT系の職種であれば、国外に仕事をもらいに行くことができます。
フィリピンでは、英語のレベルが人生を大きく左右する
以上のように日本とフィリピンでは「英語ができる」ことの、人生においての意味が大きく異なります。収入をおおきく左右し、家族を十分に養えるかどうかにも関わってきます。
「こんな人生が幸せだ」という正解はもちろんありません。留学中に、たくさんの優秀な先生と出会うなかで、ぼくはこの点について多くのことを考えさせられました。