緑が多く穏やかな印象のバギオ。しかし第二次世界大戦時には激戦地としてその名を知られていました。
一見面影を潜めた歴史の爪痕ですが、今でもはっきりと確認できる場所がバギオには幾つかあります。その一つが「Café by the ruins」。
なんと廃墟をそのままレストランにしてしまうというアイデアにはただただ驚くばかり。負の遺産が街の看板レストランに至るまでの物語とは?またその料理はいかなるものだったのでしょうか。
順にご覧ください!
Café by the ruinsの場所・行き方
バギオ市街中心部のシャンタグロードに位置しながらも、付近のマクドナルドやシティホールなどの建物の存在と比較するとかなり遠慮がちな印象です。
タクシーで向かう場合は「カフェ バイ ザ ルーインズ」で通じます。有名店なので知らないドライバーは少ないと思います。
Café by the ruinsの店内
こじんまりとした入口を抜けると美味しそうなパンの並んだショーケースが見えてきます。早くも美味しそう!
小さな入口でしたが中は広々!家族連れのフィリピの人々でいっぱいです。木で統一されたテーブルや椅子に加えて至る所に植えられた竹をはじめとする植物に囲まれ、まるで自然の中にいるような安らぎを感じます。
テーブルにはあらかじめ椅子の人数分の布巾とフォーク・スプーン・ナイフが用意されています。
薪ストーブが置かれるなど、店内はコーディリエラの山岳地域をイメージした装飾で溢れています。
Café by the ruinsが有名な理由…
細部まで行き届いた店内の雰囲気はまさにオシャレなレストランそのもの。しかしCafé by the ruinsの名が知られているのには大きな理由があります。
カフェの名前を和訳してみると「廃墟のそばにあるカフェ」ということになります。確かにレストランの半分には廃墟のような建物もスペースとして利用されています。
しかしよく見ると、その建物は「廃墟」というよりは骨組みがむき出しで破壊されているように見えます。
実はこちらのレストランは、第二次世界大戦時に当時大日本帝国陸軍の占領下にあったバギオを米軍が絨毯爆弾で攻撃した跡がそのまま廃墟として残った建物を利用しています。バギオは大戦中には激戦地だったと言われています。日本人への憎悪も強かったと言いますが、時を経て今ではレストランも街も笑顔で出迎えてくれます。
またcafé by the ruinsは1990年にさらにバギオに名を馳せることになります。1990年はバギオ市民にとって悪夢のバギオ大震災の年。例外なくCafé by the ruinsも被害を受けますが、早く復帰して食事を人々に提供しなければ、という信念を持ってすぐに復活させます。その後何千人もの市民に温かいスープを提供したというストーリーがあります。
Café by the ruinsのメニュー
一品あたり200~300ペソ(約450~690円)ほどとフィリピンのレストランの中では少々高めの値段設定。
コーディリエラ地域の伝統料理が中心となるのでメニューも現地語で名付けられています。各品とも名前の下に英語で料理の解説がされているのでイメージはついていますが、店員さんにオススメを聞くのも良いでしょう!
また、他の卓に目を向けるとお皿の上の緑率が目立つように、サラダ・ベジタリアン食などオーガニックなメニューに力を入れているレストランです。季節ごとに更新されるメニューは常に訪れる人々を楽しませてくれます。
Café by the ruinsの彩りゆたかな料理
お待たせしました。それでは料理を紹介していきます!
オーダーをとったらまずはFresh Fruit Lassi(マンゴー)でも飲んで穏やかな気持ちで待ちましょう。こちら120ペソ(約280円)となります。
まずはClassic Tomato-Basil Pasta。220ペソ(約500円)。
ふんだんに使ったトマトがパスタの太麺に絡まって絶妙なバランスを口に提供してくれます!フォークとスプーンを動かす手が止まりません。
続いてThai Beef Saladにいきましょう!280ペソ(約640円)。目に優しい緑とそこに乗った大きなビーフの塊…心が今にも踊りだしそうです。
肉とレタスを一緒に刺してタイ風のドレッシングと一緒にいただきます。レタスのみずみずしさとエスニック感を存分に楽しめる一品です。
肉は肉でがっつり食べたい!そんな時にはBaguio Bagnet!340ペソ(約770円)。こちらは北ルソン西海岸部のイロカノ地方の料理です。見た目も食感もレチョンにそっくりな肉料理で定番フィリピン料理といった雰囲気です。野菜のスープも付いてくるのが嬉しい!
ベジタリアン食としてはSagada Riceがオススメ!200ペソ(約460円)です。
卵の中にはコーディリエラの高原地域で食べられる紫色のお米が入っています。加えて細かく刻んで炒められた人参や椎茸が含まれているからか全体的に香ばしい匂いが漂います。野菜の入ったスプリングロールも添えられています。柔らかい!!
テイクアウトもできるブレッドも頼んでみました。実は一番美味しかったりするブレッド各種は、お店を去るのが名残惜しくなってしまった皆様のお土産にオススメ!
重い腰も上がるかも?
まとめ:廃墟レストランには人々の笑顔が溢れていた
かつて爆撃の被害を受けたCafé by the ruins。時を経て今やバギオでも有数のレストランの地位を確立した背景には工夫された創作メニューと、市民に愛されるストーリーがありました。
地元の人々の談笑する姿と開放的な空間の裏にあるドラマに思いを巡らせてみてはいかがでしょうか?ちなみに2016年に入り新店もオープンしたとのことなので近日改めて取材に繰り出したいと思います!
Café by the ruinsの基本情報
英語名 | Café by the ruins |
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住所 | 25 Shuntug Street, 2600 Baguio |
開放時間 | 7:00~21:00 |
定休日 | なし |
電話番号 | (074) 422 9804 |
WiFi環境 | あり(ネットサーフィン程度) |
公式サイト | Café by the ruins |